現在キャンプ真っ盛りのNPB12球団キャンプを横目に、独立リーグ・四国アイランドリーグplusの4球団も3月29日(土)の開幕戦へ向けての調整に余念がない。中でも、昨年まで12年連続でドラフト指名選手を輩出している徳島インディゴソックスは、2月16日(日)までに対外試合4試合を消化し、早くも各ポジションでアピール合戦が繰り広げられている。

 現時点で、徳島ではどの選手が13年連続のドラフト指名に近い位置にあるのか。対外試合4試合でのプレーを振り返りつつ、投手と野手に分けて期待の選手たちを紹介していきたい。

<投手>
 昨年は3人が歓喜の時を迎えた投手陣。今季も自己最速の最速152キロを記録し、覚醒の兆しを見せている高卒2年目右腕・篠崎 国忠投手(修徳)を筆頭に、楽しみな面々がそろっている。

 埼玉西武ライオンズ2軍戦で140キロ後半の直球を常時計測した右腕・斎藤 佳紳投手(近大泉州天理大(中退))はコツコツと努力を続けてきた成果が明確に表れつつある。入団3年目ながら年齢も大卒4年目、かつ2003年早生まれという要素を鑑みると、まだまだここからの伸びしろがありそうだ。

 斎藤と同じく入団3年目の杉本 幸基投手(大垣日大日本大)は常時140キロ後半のストレートと130キロ後半のカットボールを駆使し、西武2軍戦では先発2回を投げ無安打2奪三振。絶対的な変化球を有するだけに、もう一段階出力を上げられれば悲願のドラフト指名をつかめるチャンスはある。その一方で昨年、キレ味鋭いスライダーが光った髙橋 快秀投手(多度津)は、今季はまだストレートの出力の制御に苦しんでいる印象。昨年終盤に150キロに到達し実力を発揮した山崎 正義投手(紅葉川)と共に、シーズン開幕までには修正を施してくるだろう。

 また、ルーキーで目立ったのは初登板のショウワコーポレーション戦でいきなり最速152キロを出した権田 翼投手(大垣日大日本大(中退)―ハナマウイ)。好右腕ぞろいの徳島の中で貴重な左腕となる田代 涼太投手(帝京ー創価大)はここまでの対外登板3試合すべてを無失点と、多彩な変化球と安定感は抜群である。

 加えて、最速157キロの小林 禅投手(佐久長聖東北福祉大)をはじめとする、まだ対外試合未登板のルーキーたちなども虎視眈々と準備を進めている。

<野手>
 まず捕手は昨年ドラフト候補にも名が挙がり、今季は「最後の一年という気持ちで」独立リーグへの道を選択した二塁送球タイム1.8秒を切る強肩・江口 亘捕手(西脇工―姫路独協大―ショウワコーポレーション)をはじめ、6人が正妻を争う超激戦区。現状は横一線に近い中、開幕スタメンマスクを誰がつかむかが注目だ。

 内野手は昨年、俊足巧打を存分に発揮し、リーグ二塁手部門ベストナインを獲得した岸本 大希内野手(長崎商桐蔭横浜大)、ユーティリティ性に優れる中川 聖也内野手(菰野―皇学館大)の入団2年目コンビに加え、シュアな打撃が光る池田 凛内野手(履正社明治大)、西武2軍戦でNPB選手とそん色ない遊撃守備を見せた岩本 琉至内野手(龍谷)といったルーキーがハイレベルな二遊間争いを演じている。

 外野手も一塁手・三塁手のポジション含めて、誰がレギュラーになるか最後まで解らない状況である。その中で右打者では高卒2年目の佐伯 大優敦賀気比)、今季対外試合チーム1号を放ったルーキー・加田 拓哉外野手(帝京桐蔭横浜大)、マルハン北日本カンパニー戦で6打点と荒稼ぎしたルーキー・山本 倫彰外野手(飛龍城西国際大)が躍動している。

 左打者では同じくマルハン戦で本塁打を放ち、自慢の長打力を見せた主将・今村 龍之介外野手(西日本短大付福岡大(中退))、同じく2年目にして広角に長打が打てるようになった笹浪 竜外野手(函館大柏稜東北福祉大)に注目が集まる。

 また、昨夏甲子園での活躍が記憶に新しい藤原 佑外野手(大社)は、代走で出場した西武2軍戦で徳島OB・古市 尊捕手(高松南)の強肩に二盗を封じられたが、タイム自体は一歩目でスリップしたにもかかわらず3.19秒。昨年までDeNAに所属した村川 凪外野手(如水館四日市大徳島インディゴソックス)に匹敵するスピードを既に有している。

 なお、徳島はこのオフシーズンに在籍2年目以降の野手に対し脚力強化トレーニングを敢行。例外なく20メートル走、50メートル走のタイムが良化している。野球ファンの皆さんは投手陣含め一度、昨年までの固定概念を取り払い、フラットな目線でNPBへの夢をつかみ取りに行く男たちのプレーを見て頂ければ幸いだ。

【25年・徳島IS 新入団選手一覧】

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