キャンプも終盤。現役ドラフトで移籍した選手は即戦力としての活躍が期待されているがソフトバンクに移籍した上茶谷 大河投手(京都学園出身/前DeNA)はいきなりつまずいた。キャンプ序盤に肘を痛め、右肘関節クリーニング術を行い、競技復帰まで3、4ヶ月かかる見込みとなった。これまでの現役ドラフトで手術による長期離脱は初めての事例となった。
DeNAでは先発、中継ぎをこなし、1年目から先発で7勝、プロ6年目の23年は46試合に登板していた。プロ7年間はすべて一軍で登板しており、7年続けて20イニング以上をしていて、先発、中継ぎともに一定の活躍をしている投手として期待は高かった。
ソフトバンクの過去2回の現役ドラフト入団者はどんな成績を残しているのか。
第1回の古川 侑利(有田工出身/前日本ハム)は楽天、巨人、日本ハムと3球団を渡り歩いて、移籍初年度から開幕一軍入りを果たした。5月末までの2ヶ月間に渡って一軍に帯同。一度登録を抹消されるも夏場に再昇格をはたし、トータルで9試合に登板した。しかしそのうち4試合で失点を喫し防御率4.50と目立った成績を残すことはできなかった。移籍2年目の24年シーズンは一度も一軍に昇格することなくシーズンを終え戦力外通告を受けた。後に自身のSNSで現役引退を発表している。
第2回では長谷川 威展(花咲徳栄出身/前日本ハム)は移籍するまで一軍での登板はわずか11試合だった。しかしソフトバンクでは中継ぎ左腕として居場所を掴んだ。開幕一軍こそ逃したものの4月上旬に一軍登録されると、初登板から10試合連続無失点の好投と存在感を示した。その後も好投を続け、8月以降は13試合でわずか2失点。勝負どころでも大きく貢献した。シーズントータルでは32試合の登板で4勝0敗6ホールド、防御率2.49と結果を残している。
上茶谷は「まずは開幕ローテーションに入ること、2桁勝利をすることを目指して頑張ります」と意気込みを語っていたが、手術により一からやり直しとなった。過去の実績は古川、長谷川と比べても上回っており、完全復調すれば、やはり戦力となるだろう。スタートは出遅れる形になったが、複数年通して、古川、長谷川の活躍を上回ることができるか。