日本ハムドラフト1位の柴田獅子投手がキャンプインしてから二刀流としての評価を高めている。15日の紅白戦では代打として弾道が高いセンターフライを放ち、ブルペン投球では伸びのある快速球を投げ込んだ。野球ファンをワクワクさせる“ポスト大谷翔平”の将来を考えていきたい。

 投手として大きく評価を高めたのは、昨夏の福岡大会3回戦・博多工戦。5回無安打の投球を披露した。躍動感のあるフォームに、150キロ近い速球を投げ込む投球にスカウトは釘付けだった。ただ甲子園出場をかけた決勝・西日本短大付戦では不調。140キロ前半の速球を次々と振り抜かれ、2.1回を投げて被安打6、1失点に終わった。ただ評価が下がらずドラフト1位を勝ち取ったのは、夏の大会以降、練習でしっかりと調子を取り戻したのが大きい。昨年9月、『高校野球ドットコム』の取材で披露した柴田の速球は、博多工戦に近いものだった。

 2月にキャンプインしてからも、伸びやかな動きから回転数の高い速球を投げ込んでおり、ファームでのデビューも近いだろう。

 打撃では、昨夏の福岡大会準々決勝・飯塚戦で高めのストレートを強引に引っ張って広い北九州市民球場で豪快な本塁打を放っている。プロに入ってからは、太ももががっしりしてきて、スイングに強さが出た印象だ。構えは大谷のように背筋がしっかりと伸ばし、バットを立てるスクエアスタンスで、ややアッパー気味のスイングを見せる。ただ投手と比べると、完成度は低い。豪快にフルスイングをしているが、ミスショットや、距離感が取れていない。しっかりとボールを呼び込んで、コースによってスイング軌道を変えたりしていけば、もともとスイングが強いので、長打も多くなりやすい選手だろう。

 現時点での実力は圧倒的に投手が上だ。高校時代の投球を見ると、ストレート以外にもスライダーを丁寧に投げ分けたり、大型投手でありながら、制球に苦しむ様子はなかった。投手のほうが成績は残しやすいだろう。打者としては対応に時間がかかりそう。

 1年目は二軍で投手として10試合〜15試合前後の登板、野手として出場する場合は30試合、50打席は与えられると予想する。その中で内容の良さを示して、2年目で一軍経験を積んで、3、4年目は一軍で大飛躍。ローテーション入りして、20先発、100イニング以上、10勝前後を挙げられるようになれば、理想的ではないか。

 大谷のようにスケールの大きな活躍を見せて、北海道を沸かせることを期待したい。

<柴田獅子投手(しばた・れお)プロフィール>

右投げ左打ち 187センチ87キロ

福岡県飯塚市出身

庄内中出身 フレッシュ・飯塚レパーズでプレー

2年秋から背番号1。

打者としても5番を打ち、昨秋は準々決勝以降の3試合で10打数6安打の活躍を見せ、高校通算19本塁打。