12球団で投手のスケールが大きい球団といえば、日本ハムだろう。

 近年プロ野球では大型投手が増えており、昨年のドラフトでは実に16人の185センチ超の投手たちが指名されているのだ。

中でも日本ハムには190センチ以上の投手が日本人だけで10人、外国人は2人と合計12人もいる。その顔ぶれがこちらだ。

16 達 孝太(右投・4年・天理) 194センチ97キロ

20 上原 健太(左投・10年・広陵-明治大)191センチ95キロ

22 杉浦 稔大(右投・12年・帯広大谷-国学院大-ヤクルト)190センチ91キロ

32 藤田 琉生(左投・1年・東海大相模)  198センチ96キロ

42 ザバラ(右投・2年・マーリンズ-3Aトレド) 190センチ117キロ

45 バーヘイゲン(右投・4年・タイガース-日本ハム-カージナルス) 198センチ104キロ

51 石川 直也(右投・11年・山形中央) 192センチ93キロ

62 清水 大暉(右投・1年・前橋商)192センチ95キロ

94 福島 蓮(右投・4年・八戸西)190センチ76キロ

95 柳川 大晟 (右投・4年・九州国際大付) 191センチ92キロ

113 加藤 大和(左投・2年・帝京大可児)190センチ79キロ

115 清宮 虎多朗(右投・7年・八千代松陰-楽天) 190センチ84キロ

 この中で最も実績を残しているのは中継ぎの柱である杉浦だ。13年のドラフトでヤクルトから1位指名を受けた杉浦はヤクルト4年間で通算6勝のみだったが、18年に日本ハムに移籍してから才能を開花させた。20年に17試合中、13先発で、7勝5敗、クローザーに転向した21年には28セーブを記録した。昨年は中継ぎとして、40試合で防御率1.56、15ホールドと2位躍進に貢献した。今季も躍進が期待される。

 若手では21年ドラフト組の達、柳川、福島の3人のブレイクが期待されている。昨シーズンは3人にとって一軍の飛躍の兆しが見える1年だった。達は昨季、10月3日の千葉ロッテ戦で5回無失点の好投で、初勝利を手にした。オフはアメリカで自主トレを行い、レベルアップに取り組んできました。打撃投手での登板では150キロを超える速球を投げ込み、仕上がりは良好。二軍合流となったが、今季は一軍で先発登板の機会は増えるだろう。

 福島は昨シーズン途中から支配下登録となり、12試合すべて先発し、2勝3敗、61回を投げ、防御率3.54だった。16日、楽天との練習試合では2回無失点。出力も高まっており、コンパクトなテークバックから145キロ前後の速球は打ちにくいものがあり、制球力も高い。この3人の中では一番完成度が高い。今季は投球回100以上が見えそうだ。

 柳川も福島同様、シーズン途中から支配下登録となり、リリーフとして21試合を投げ、防御率4.09だった。常時150キロオーバーの豪速球は威力抜群だが、今季は先発に挑戦し、16日の楽天戦で2回無失点に抑えたが、ややばらつきが見えた。柳川は中継ぎになる見込みだ。

 この3人は今季のキーマンとなる存在。投球回が増えて、さらに投球成績も良好になれば、日本ハム投手陣はさらに盤石になりそうだ。

 育成から支配下登録を狙う清宮は8日の紅白戦で3四球を与えたが、3奪三振という極端な投球を見せた。三振を奪える中継ぎとして実績を重ねていけば、チャンスはある。

 160キロ連発のザバラは、昨季16試合で防御率1.50の好成績を残した。日本の野球に慣れた2年目はさらなる活躍が期待される。バーヘイゲンは先発として日本ハムでの3年間で通算15勝をマーク。日本ハム1年目だった20年のように8勝を挙げる活躍を見せれば、盤石の先発ローテーションとなりそうだ。

 昨年のドラフトで指名を受けた2位の藤田は198センチの長身左腕としてはかなり器用な左腕。ナックルカーブ、チェンジアップを駆使し、奪三振を量産。課題だったストレートも威力が増している。昨夏は甲子園ベスト8に進出し、高校日本代表にも選出された。

5位指名の清水は192センチの長身から最速150キロの速球と曲がりが大きいカーブを武器に昨夏の群馬大会は決勝戦まで勝ち進んだ。経験を重ねながら、2年目以降で本格化するか注目だ。

彼らが今季どのような活躍を見せてくれるのか楽しみだ。