連覇を狙う巨人は先発、中継ぎ、抑えともに争いが厳しい。昨年、セ・リーグ新人王・船迫 大雅投手(聖光学院出身)も昨季同様の活躍ができるか。

 船迫は2022年ドラフト5位で指名を受け西濃運輸から巨人に入団した右腕。ルーキーイヤーから36試合の登板で3勝1敗8ホールド、防御率2.70と中継ぎの戦力となった。新人王資格を残して迎えた今年は51試合に登板。38回を投げ4勝0敗22ホールド、防御率2.37と優勝に大きく貢献した。

 そんな船迫は聖光学院から東日本国際大、西濃運輸を経て入団したこともあり昨季の時点で28歳。史上2番目の高齢受賞となった。この記録は藤田 元司(西条北出身/1957年)と長野 久義(筑陽学園出身/2010年)の26歳を超える最年長での受賞となった。

 藤田は新人王受賞年に17勝。翌年から29勝、27勝と3年で73勝を挙げた。現代では考えられない成績だ。その後は目立った成績を残すことができなかったものの、現役引退後は巨人の監督として7年間で4度のリーグ優勝、2度の日本一に輝き、巨人のレジェンドと呼ばれる野球人である。

 現在も現役でプレーする長野も受賞以降、11年に首位打者を獲得したりするなど結果を残している。船迫も高齢受賞の先輩たちに負けない活躍を見せたいところだろう。

 また大卒社会人の選手が2年目以降に新人王を受賞したケースも珍しかった。近年では2008年の小松聖(勿来工→国士舘大→JR九州→2006年オリックス希望入団枠)以来16年ぶり。セ・リーグでは1985年の川端順(鳴門→法政大→東芝→1983年広島1位)以来39年ぶりだった。この2人以外に大卒社会人出身で2年目以降に新人王を受賞した選手はおらず船迫は史上3人目の快挙となった。

 昨年の船迫は22ホールドからもわかる通り、僅差の場面での登板も多かった。キャンプでは、実戦打撃の投球を見ても仕上がりは良好だ。

 

 今季の巨人の中継ぎは8回は大勢、9回が中日から移籍したライデル・マルティネスと報道されている。その2人につなぐ勝ちパターンの一角としてチームの2連覇に貢献することが求められる。

 <大卒社会人で2年目以降に新人王受賞した選手>

※受賞年の成績

川端順(鳴門高→法政大→東芝→1983年広島1位)

1985年:45試合(162回1/3) 11勝7敗7セーブ 防御率2.72

小松聖(勿来工→国士舘大→JR九州→2006年オリックス希望入団枠)

2008年:36試合(172回1/3)15勝3敗3ホールド 防御率2.51

船迫大雅(聖光学院高→東日本国際大→西濃運輸→2022年巨人5位)

2024年:51試合(38回)4勝0敗22ホールド 防御率2.37