<薩摩おいどんリーグ:中央大6-5パナソニック> 22日◇リーグ戦◇ ビーラインスポーツパーク姶良球場

 今年で3回目となる「おいどんリーグ」。今年の「開幕戦」としてピックアップゲームに「指名」されたのは社会人の古豪・パナソニックと東都1部の名門・中央大、社会人と大学トップチームの一戦だった。

前半は中央大が先制し、優位に進め、6回以降はパナソニックが盛り返し、オープン戦とは思えぬほど白熱した展開の末、中央大が6対5で勝利した。中央大は青木 勝吾(中央学院)、前川 竜我(福井商)、髙橋 徹平(関東一)、卒業式前の新一年生3人が登場し、一足早く「大学プレデビュー」を果たした。

2月17日から霧島市国分でキャンプインした中央大としては初の実戦。2番・中堅手でスタメン出場だった青木は「特に緊張することもなく、プレーできた」という。初回、先頭の橋本 航河(2年・仙台育英)が中前打で出塁した後、初球で送りバントを落ち着いて決めて、5番・皆川 岳飛(4年・前橋育英)の先制打をアシストした。3回の先頭打者の場面ではエラーで出塁し、盗塁も決め、逆転の口火も切った。「チームの中で仕事ができた」ことを喜んでいた。

 昨夏の選手権準優勝だった関東第一の4番、主将だった髙橋は5回途中から代打で登場。6回以降チームの打線が沈黙した中、8回一死の打席では初球を振り抜き、左翼線二塁打を放った。

 代打で出た5回の場面は「ファーストストライクを見逃して、最後も見逃し三振だったので、ファーストストライクから積極的にいくことをイメージしていたのが良かった」という。高校時代はあと一歩で「全国制覇」を逃した悔しさがあり、「大学で全国制覇をしてプロ入りする」という夢に向かうための第一歩を踏み出した。

 青木、髙橋は甲子園出場経験がある中、前川は県予選で惜敗し、3年間甲子園の土は踏んでいない。168センチと小柄ながら「できればプロで、そうでなくても社会人の一流チームに入る」ために中央大の門を叩いた。

 9番・二塁手でスタメン出場。打撃では「見たこともないボールで全く通用しなかった」と2三振だったが、守備では2回裏に3連打、3ランを浴びて逆転された直後、イレギュラーしたセカンドゴロを無難にさばき、流れを断つ最初のアウトをとった。「打球のイメージがしっかりできていたので、しっかり対応できた」と振り返る。

 清水達也監督は「3人とも良い仕事をしてくれた。彼ら以外にも楽しみな1年生も多いので、積極的に使っていきたい」と喜んでいた。