プロ野球もいよいよオープン戦が始まった。各チームともルーキーや新外国人選手、移籍選手ら新戦力の選手たちに注目が集まっている。
セ・リーグ連覇を目指す巨人では新外国人のトレイ・キャベッジ内野手に加え、中日から移籍したライデル・マルティネス投手、ソフトバンクからFA移籍した甲斐 拓也捕手(楊志館)が大型契約で加入した。他にも田中 将大投手(駒大苫小牧)、石川 達也投手(横浜)ら新戦力が多数加わった中、正念場となる若手選手もレギュラー争いに向けたアピールを続けている。
一塁が基本線となりそうなキャベッジの加入によって注目されていたのが秋広 優人内野手(二松学舎大付)だ。キャベッジが一塁に固定されれば岡本 和真内野手(智弁学園)、坂本 勇人内野手(八戸学院光星)が三塁、場合によっては岡本が左翼へと回る。そうなると一塁及び左翼が主戦場の秋広は、主力3人とポジションを争うことになり立場はかなり厳しい。しかし、2月18日の練習試合(DeNA戦)に「8番・一塁」で出場すると、2打席連続本塁打を放って強烈なインパクトを残した。自身初となる開幕一軍へ向け、早速存在感を示した格好だ。秋広が本格化すれば阿部 慎之助監督(安田学園)も起用に頭を悩ませることとなるだろう。
甲斐の加入によって捕手の争いも激しくなった。昨年も大城 卓三捕手(東海大相模)、岸田 行倫捕手(報徳学園)、小林 誠司捕手(広陵)と顔ぶれは豊富。大城の一塁併用を考慮しても、一軍ベンチ争いも狭き門となる。
なかでも若手では山瀬 慎之助捕手(星稜)が勝負の一年となりそうだ。今年5月に24歳とまだまだ若いが、今年で高卒6年目。いきなり正捕手は厳しくとも、一軍に定着していきたい年齢だ。このキャンプでは一軍に帯同しており、2月16日に行われたサムスン(韓国)との練習試合に「8番・捕手」で出場。安打を放つだけでなく強肩で二盗を刺す場面もあった。実績のある捕手勢との一軍枠を争うためにもアピールをまだまだ続けていかねばならない。
投手陣では大江 竜聖投手(二松学舎大付)が厳しい立場となる。開幕一軍が当確のマルティネスの加入によってブルペンの枠が1つ減り、さらに同じ中継ぎ左腕の石川が加わった。ライバルとなる石川は2月18日の練習試合(DeNA戦)で2回無安打無失点、2奪三振と快投を披露。ツーシームとチェンジアップが冴え渡っていた。このオフに戦力外になったとはいえまだ26歳であり、昨年、一昨年と防御率は1点台。致命的な怪我を負っているわけでもない。この投球が続けば貴重な左として戦力となるだろう。一方の大江は二軍スタート。まずはアピールをし、オープン戦で一軍切符を掴みたいところだ。
プロ野球の開幕まであと1ヶ月あまり。レギュラーを約束された主力や調整を任されたベテランたちは、ここから調子を整えてくる。彼らが本格的にオープン戦へ出場するのは3月に入ってからだろう。それまでに正念場の選手たちはアピールをし、一軍に踏みとどまることができるだろうか。