4季連続で東都大学野球リーグ戦を制し、史上4校目となるリーグ4連覇を達成。さらには全日本野球選手権大会連覇に加え、史上5校目・通算6度目となる「大学4冠」を成し遂げた青山学院大硬式野球部。
昨年は10月24日に開催されたNPBドラフト会議でも西川 史礁外野手(龍谷大平安)がロッテ、佐々木 泰内野手(県岐阜商)が広島から1位指名の栄冠を勝ち取ることに。昨年に続き同一野球部からの2年連続ドラフト1位複数選手指名は高校、大学、社会人、独立リーグ含め1965年の同会議スタート以来、初となる快挙であった。
偉業に包まれた一年間を終え、前人未到の2年連続大学4冠を目指す2025年、同部は新たな挑戦をスタートさせる場所として愛媛県松山市を選択。2月20日(水)から同市内の坊っちゃんスタジアムで春季キャンプを行っている。
その経緯は、かねてから安藤 寧則監督が「(神奈川県相模原市)の野球部グラウンドが改修中だった昨年を除き、僕が(2019年の)監督就任してからは、なかなか春季キャンプができない状況だったので、春季キャンプを張れるいい場所を探していた」ところ、2023年秋季リーグ開幕節に坊っちゃんスタジアムで試合をする機会を得たのがきっかけ。
その際に感じた野球に対する熱量、加えて「環境は素晴らしく、この地で春季キャンプを張っているチームがあることも知っていました。時期とタイミングが合えばぜひ春季キャンプを張りたい意思表示を松山市側にも出していた」(安藤監督)。その思惑が繋がり、初の愛媛県松山市春季キャンプが実現する運びとなったものである。
2月20日(水)午後に球場入りしたチームは、合宿1クール目は主にシートバッティングなどを取り入れる中、2月22日(土)午後には気温などを考慮し、バッテリー陣と野手陣に分かれ、課題に沿った個別練習を採用。選手たちはそれぞれの技術向上に取り組む傍ら、練習参加に訪れていた高校球児にも丁寧な指導を行うなど、「野球伝道師」としての意識も高く日々を過ごしている。
四国唯一のNPB基準にありながら、メイン球場、サブ球場、室内練習場、屋内・屋外ブルペンに最新式のマシンも備えたトレーニング施設がコンパクトにまとまっている坊っちゃんスタジアム。昨年はエースとして4冠獲得の原動力となった中西 聖輝投手(4年・智弁和歌山)も、「大学グラウンドでの練習よりも多くの時間を野球に打ち込めている」と手ごたえを口にしている。
「過程を大事にしていく」方針に倣い、チームコンセプトの確認と個別の強化メニューを積み上げている。2月24日(月・祝)の休養日を挟んだ25日(火)からはいよいよ紅白戦中心の実戦的要素が数多く組み込まれる予定。スタンドでの見学は無料となっているので、日本の大学野球最高峰チームのプレーに触れたい方は、ぜひ坊っちゃんスタジアムに足を運んでほしい。