藤川 球児監督が就任した阪神タイガースは2025年から3番・佐藤 輝明、4番・森下 翔太、5番・大山 悠輔の新クリーンアップ構想を掲げている。
昨年は主に3番に座り、打率.275、16本塁打、73打点、得点圏打率.351の成績を残した森下が新生藤川阪神の4番打者を務めることになる。昨秋のプレミア12では日本代表の4番を務め、勝負強い打撃を見せた。プロ3年目を迎える若い主砲をチームの4番に据えることで、さらなる進化を促す意図がありそうだ。そして、5番に経験豊富な大山を入れば、前を打つ森下も気負うことなく、どっしりと4番に座ることができる。
新打順の鍵を握るのが、3番の佐藤だろう。昨年は打率.268、16本塁打、70打点とまずまずの数字を残した一方、リーグワースト3位の133三振。昨年は5月に打撃不振で登録抹消になるなど、例年好不調の波が大きい打者である。森下や大山に比べ、穴が大きく、フォークなどの落ちるボールで攻められることが多い。昨年のフォーク(スプリット含む)への打率は.230となり、空振り率も50%を超えている。
だが、3番に佐藤を入れることで、1、2番を打つ俊足の近本 光司と中野 拓夢を塁上に置いて打席を迎えることが増える。相手バッテリーは盗塁を警戒しながらの配球となる。また、後ろには森下、大山といった強打者も控えることから、ストライクゾーンでの勝負が強いられる場面が増え、苦手とするボールゾーンへ逃げる変化球攻めが減ることが想定されそうだ。
22日から始まったオープン戦では佐藤が3番に入り、2試合で5打数4安打の打率8割を記録。チームも22日は6得点、23日は9得点、24日の練習試合でも9得点を挙げ、クリーンアップに打点が付くなど、つながりを見せている。
とはいえ、新クリーンアップが機能するには、佐藤がよい状態を維持することが不可欠と言える。新打順が機能するか、佐藤の状態に注目が集まる