プロ野球開幕まで1ヵ月あまり。主力も徐々に実戦での調整に入るため、若手選手や新戦力の開幕入り向けたサバイバルが激化している。そんな中、ドラフトから数年が経ち、厳しい立場に置かれている元ドラフト1位選手たちがいる。
甲子園を沸かせたスター選手・広島の中村 奨成外野手(広陵)は勝負の8年目を迎えたが、自慢のバットで精彩を欠いている。昨季のレギュラーに加え、好調を維持している末包 昇大外野手(高松商―東洋大―大阪ガス)、新外国人のサンドロ・ファビアン外野手とライバルも多い。ロッテとの練習試合では中堅手として出場し、好捕を見せているだけに打撃で光るものを見せたいところだ。
中村とともに高校BIG3の一人として注目されたロッテ・安田 尚憲内野手(履正社)もその一人。20年から4年連続で100試合以上をこなしていたが、昨年は55試合に留まり、シーズンを通して0本塁打と高校通算65発の長打力は影を潜めている。三塁手としては2年目の上田 希由翔内野手(愛産大三河―明治大)に守備で勝るものの、打撃で差をつけられている。後輩のドラフト1位選手に負けじと、打撃で定位置奪取を狙いたいところだ。
悔しい離脱となったのが阪神・西 純矢投手(創志学園)とソフトバンク・風間 球打投手(明桜)だ。高卒3年目に6勝を挙げた西は、藤川新監督のもと復活を目指していたが右ヒジ違和感を発症し、精密検査を行うため帰阪した。風間も昨年オフに育成契約となり、支配下復帰に向けたアピールをしたいところだったが、キャンプイン後に右手小指の骨折が判明。12球団屈指の巨大戦力・ソフトバンクだけに、一軍マウンドがさらに遠のいた。
一方、コンディション不良で別メニュー調整が続いていた奥川 恭伸投手(星稜)は、ブルペン投球を再開。まずは怪我を癒し、2年目に9勝をあげた実力を示したいところだ。
開幕まで約一ヵ月、正念場となるドラフト1位選手の巻き返しに期待したい。