<薩摩おいどんリーグ:慶応義塾大7―1名古屋商科大> 26日◇リーグ戦◇ 平和リース球場
慶応大が陣取る一塁側ベンチの横にあるカメラ席で、一眼レフのカメラを構えて熱心に試合を観戦している女性がいた。同大の慶応スポーツ新聞会(ケイスポ)の加藤由衣さんだった。
ケイスポは約40人で活動する学生サークル。野球をはじめ、ラグビー、サッカーなど体育会運動部が出場する大会情報などを発信している。
新3年生の加藤さんは4人いる野球班のチーフ。全員で分担し、薩摩おいどんリーグの慶応大の試合は全てフォローして、試合戦評、写真、選手コメントなどを発信している。加藤さんは25日のパナソニック戦とこの日の名古屋商科大戦が担当だった。
スポーツ経験はないが、「プロ野球は大好きだった」。野球の強い慶応大に入学し、「早慶戦に関われる活動をしてみたい」と思っていた中で、新聞会の活動を知った。高校時代は写真部だったこともあり、自前で一眼レフカメラや望遠レンズを購入して、取材活動で役立てている。
おいどんリーグの取材は今回が初めて。「関西のチームのパナソニックとの対戦などは普段見ることができないので、こういう大会があるのはとてもありがたい」と話す。
2試合を観戦し、投手陣の出来は良い仕上がりを見せているが、攻撃陣がここぞという好機になかなか一本が出ないのが気になるところだった。この日も前半5回は無得点に終わり、相手に先制されたが、6回の集中打で逆転し、ダメ押し点も挙げられたのは好材料だった。
「取材した選手たちが、自分のSNSなどで私の記事を引用して紹介してくれるのがうれしい。やりがいと責任を感じます」と言う。昨年のリーグ戦は春が3位、秋が5位と振るわなかった慶応大だったが1、2年生が出場するフレッシュリーグでは3連覇した世代が中心学年となっており「今年のチームはやってくれると思います」と「番記者」ならではの目線で太鼓判を押していた。