中日ドラゴンズは昨年リーグ5位の先発防御率3.32に終わるなど、先発陣にも課題を抱える。上位浮上には先発陣の整備も不可欠だが、オフには小笠原 慎之介、福谷 浩司ら主力が退団。
故障者も多く、ドラフト1位ルーキー・金丸 夢斗は大学4年時に腰を痛めた影響で開幕二軍スタートが濃厚。一昨年のドラフト1位・草加 勝は昨年2月にトミー・ジョン手術を受けており、一軍登板は早くても6月以降が見込まれる。両投手ともに一軍未経験であり、故障明けとなるため、今年は計算に入れづらい。
柳 裕也も右臀部の張りで一時別メニューになるなど、調整が遅れている。昨年の柳は13試合、4勝5敗、防御率3.76と低迷しており、先発ローテも安泰とは言えない立場だ。
また、涌井 秀章、大野 雄大も30代後半を迎え、成績が下降気味。現段階で計算できる先発は昨年12勝4敗、防御率1.38の髙橋 宏斗のみ。若手の台頭が必須の状況だ。
一軍ローテ入りが期待される若手2投手
そんな中で頭角を現してほしいのが、2022年のドラフト1位・仲地 礼亜だ。プロ入りから2年連続で故障に苦しみ、昨年は1試合に終わった。一方、二軍は9試合ながら、3勝2敗、奪三振率9.18、防御率3.12と優秀な成績であり、投げることができれば、一軍でも結果を残しそうな内容と言える。今年の対外試合では4イニングを投げて無失点とアピールを見せている。このままローテーションに入れば、大きな戦力となりそうだ。
昨年支配下を勝ち取り、プロ初勝利を挙げた高卒5年目の松木平 優太にも期待がかかる。昨年は二軍で10勝3敗、防御率1.76と文句なしの数字を残したが、一軍では2勝4敗、防御率3.70に終わった。だが、最大の武器であるチェンジアップは被打率.184と一軍でも通用した。直球を含め、機能するボールを増やせれば、一軍でも活躍できるポテンシャルを秘める。
新戦力とその他候補投手
新戦力として日本では未知数だが、カイル・マラーはオープン戦で問題なければ、ローテーションに入ってくるだろう。2023年にアスレチックスで開幕投手を務め、昨年はメジャーで21試合に登板するなど、メジャー実績が豊富だ。
ドラフト2位ルーキーの吉田 聖弥は社会人出身だが、高卒で入社したため、大卒1年目と同年齢。23日のオープン戦では3回を投げて6安打2失点と苦しい投球が続いている。
その他、ソフトバンクから加入した育成契約の三浦 瑞樹、来日3年目のウンベルト・メヒア、35歳を迎える松葉 貴大、昨年は2勝に終わった梅津 晃大らが候補にあがる。
現段階で髙橋とマラー以外は白紙と言える状況だが、誰が先発ローテーションを勝ち取るか、争いに注目が集まる。