昨オフ、楽天はヤクルトから今野 龍太投手(岩出山)、ミゲル・ヤフーレ投手、阪神戦力外の加治屋 蓮投手(宮崎・福島)を補強したが、この3人ともに活躍が期待されているのが速球派右腕・柴田 大地投手(日体大荏原)だ。

 柴田は高校時代、控え投手ながら140キロ台の速球を投げ込む右腕として注目され、日体大ではリーグ戦で一度も登板はなかったが、潜在能力の高さが評価され、強豪・日本通運へ。日本通運2年目から154キロをマークするなど、スカウトから注目され、21年ドラフトでは3位指名を受けた。ヤクルト時代に一軍での登板が中継ぎで2試合のみ、勝ち星、セーブ、ホールドの記録もなく実績はほとんどない。一方で二軍では昨シーズン40試合の登板で37回1/3を投げ防御率2.17。140キロ台中盤のストレートにカットボール、スプリットを交える投球で結果を残している。

 楽天は第1回の現役ドラフトでは正隨 優弥(大阪桐蔭出身/前広島)、第2回では櫻井 周斗日大三出身/前日本ハム)を指名していたが、それぞれ1年目はどれくらい出場していたのだろうか。

 2023年に楽天へと加入した正隨は広島時代に一軍でほぼ実績がなかった。移籍後もチャンスに恵まれず、一軍で1試合のみの出場にとどまりノーヒット。同年限りで戦力外通告を受け現役引退となった。

 櫻井は5月に一軍登録される4試合連続無失点と好投。4回を投げ被安打1と結果を出した。しかし5試合目の登板で1回6失点と打ち込まれた。5月末に登録を抹消され、6月に再昇格を果たす。しかし復帰初戦は無失点に抑えるも2試合目の登板で3回1/3を投げ4失点。その翌日に登録を抹消された。以降は一軍での登板はなく、オフに戦力外通告を受けた。

 柴田は、オープン戦でも起用されており、24日のヤクルト戦でも起用され、1回1失点だった。楽天は2月での練習試合、オープン戦とかなり大味な試合展開が続いており、投手陣の仕上がりはあまり良くない。柴田も失点する試合もあるが、今季は一軍での出番が増えそうだ。

 移籍して、登板試合が激増となれば、現ドラ移籍での成功例の1つになるだろう。