ロッテは長らく和製大砲の育成に苦しんでいる。最後にシーズン30本塁打をクリアした日本人選手は1986年の落合 博満まで遡る。平成以降、30本塁打以上を放った日本選手がいない唯一の球団となっている。

 近年では大砲候補として安田 尚憲履正社)をドラフトで獲得したが、ここまでのキャリアハイは9本塁打。昨年はノーアーチに終わった。2022年には山口 航輝明桜)が16本塁打を放ったが、活躍を継続することができず、昨年は2本塁打と苦しんでいる。2024年の日本人最多は岡 大海倉敷商-明治大)の7本塁打となっている。

 そんな中、長距離砲としてブレイクを予感させているのが、高卒5年目の外野手・山本 大斗開星)だ。2020年育成3位でプロ入りし、2年目の2022年に二軍で打率.236ながら、12本塁打をマーク。この年に支配下を勝ち取った。さらに昨年は二軍で打率.279、19本塁打、57打点と確実性を高め、イースタンリーグの本塁打王と打点王に輝いた。

 山本は2月22日の中日とのオープン戦では一軍実績のある清水 達也花咲徳栄)から逆方向に満塁本塁打。翌日の韓国チームとの試合でもバックスクリーンに本塁打を放った。さらに3月1日の試合でもレフトスタンドに豪快な一発。早くも対外試合で3本塁打を記録している。5年目を迎えるが、一軍では通算9試合で28打席と新人王の資格を残しており、レギュラー定着となれば、新人王候補にも挙がりそうだ。

 ロッテの外野陣では、ドラフト1位ルーキーの西川 史礁龍谷大平安青山学院大)も28日の練習試合で本塁打を放つなど、アピールを見せている。熾烈な外野争いが予想されるが、日本人選手で30本塁打到達者の出現に期待したい。

<一覧>千葉移転後の日本人シーズン本塁打ランキング

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