3年連続最下位の中日は、小笠原 慎之介投手(東海大相模)、福谷 浩司投手(横須賀)が移籍し、投手層の薄さが課題となっている。そんなチームの期待を受けているのが、楽天から現役ドラフトで加入した右サイド・伊藤 茉央(喜多方)だ。
伊藤は東農大オホーツクでは通算13勝を挙げる活躍を見せ、4年生には大学日本代表候補に選ばれた実績を持つ。右サイドから140キロ後半の速球、シンカー、スライダーを器用に投げ分ける投球スタイルを評価され、22年のドラフトでは楽天から4位指名を受けた。
ルーキーイヤーだった2023年に25試合の登板で1勝0敗3ホールド、防御率3.27とまずまずの成績を残した。しかし昨シーズンはわずか6試合の登板にとどまり防御率7.94と低迷。結果を残すことができなかった。一方、二軍では41試合の登板で1勝0敗、防御率2.64と結果を残している。
中日の過去2回の現役ドラフトを振り返ると、勝ち組ともいえる成果を残している。
第1回の現役ドラフトで獲得した細川 成也(明秀日立出身/前DeNA)は移籍初年度から中日の主軸となった。いきなり140試合に出場し打率.253(518-113)、24本塁打と活躍。規定打席到達も2桁本塁打も初の快挙だった。2年目の昨シーズンは全143試合に出場。打率.292(534-156)、23本塁打と前年以上の輝きを見せベストナインを受賞した。第1回の現役ドラフトで野手における最も成功した例と言っても過言ではない。
第2回では梅野 雄吾(九産大九産出身/前ヤクルト)を指名し、中継ぎとして18試合に登板するも1勝0敗2ホールド、防御率4.15と苦しんだ。開幕一軍を掴むも5月上旬に登録を抹消され、5月半ばの再昇格から1ヶ月ほどで再び二軍降格。その後は一度も昇格することができず、シーズンを通じて結果を残すことはできなかった。大きな故障があったわけではなく二軍では26試合の登板で2勝2敗5セーブ、防御率2.16とまずまずの成績を残している。
伊藤は梅野と同じく中継ぎとして一軍の枠を目指すことになりそう。23日の阪神戦では1回1失点だったが、2奪三振と三振を取れるところはアピールした。二軍練習に参加しているが、二軍の教育リーグでアピールを続けていきたい。
ライデル・マルティネスが巨人に移籍したことで一軍の中継ぎ枠は1つ空いた。中継ぎの消耗具合によっては出番は増えるだろう。ルーキーイヤー以上の実力を発揮すれば、救世主となりそうだ。