オープン戦が本格化する中、ヤクルトでは山田 哲人(履正社)左手指の脱臼が判明し、開幕スタメンが難しい状況となった。
山田に代わる二塁のスタメン候補には楽天からFA加入した茂木 栄五郎(桐蔭学園‐早稲田大)を筆頭に武岡 龍世(八戸学院光星)、伊藤 琉偉(東農大二‐東京農業大(中退)‐BCリーグ・新潟)らが候補に挙がるが、中でも猛アピールを見せているのが、5年目を迎える赤羽 由紘(日本ウェルネス長野‐信濃グランセローズ)だ。
赤羽は独立リーグの信濃から2020年育成2位で入団し、2年目の2022年に二軍で8本塁打を放ち、支配下登録を勝ち取った。独立時代は三塁がメインだったが、ヤクルトでは内外野の全ポジションをこなし、どのポジションも高い守備力を示している。また、走力もあり、代走としても出場するなど、ユーティリティープレイヤーとして一軍入りしていた。
一方、打撃はパンチ力が持ち味だが、一軍では確実性に苦しむシーズンが続いていた。そんな中、昨年7月には6打席連続安打を記録。外野のレギュラーを掴みかけていたところで、死球で骨折し、離脱となったが、最終的に36試合、打率.241、2本塁打、6打点、4盗塁と大きな成長を見せた。
2025年の対外試合では、すでに一塁、二塁、遊撃、左翼、中堅、右翼のポジションに付き、独立時代に本職にしていた三塁とバッテリー以外の全ポジションをこなしている。3月2日の巨人戦では1番・二塁で出場し、好投手・大勢から二塁打を放つなど、5打数2安打1打点。試合途中には二塁から外野に回り、走っては1盗塁を決めるなど、走攻守で躍動した。
ユーティリティープレイヤーと聞くと、守備・走塁のイメージが強いが、赤羽の場合は守備・走塁に加え、打撃も力を付けている。初の開幕スタメンに向けて、走攻守でアピールを続けていきたい。