——ダークホースをあげるとならばどのチームでしょうか?
浦田:昨夏4強の青森山田を挙げたい。何より、昨年のメンバーが5人も残っているのは心強い。エース右腕の下山 大昂投手(3年)に、不動の1番だった佐藤 洸史郎外野手(3年)と、投打の柱がチームを支えている。昨年センバツ8強で、昨夏甲子園は4強。実績の流れも十分。何より、一昨年の山梨学院、昨年の健大高崎と、初優勝の流れがきている。今年は青森山田の初優勝で幕を閉じる可能性は十分にあるのでは?
大島:この春は守高打低。守備型のチームということで、二松学舎大付と広島商を推したい。ただ広島商は2回戦で東洋大姫路と当たるのは厳しいですね。勝ち進めば伝統の広商野球が威力を発揮するが、2回戦というのは早過ぎる。二松学舎大付は主戦投手の河内 紬は好不調の差が大きい。守備はいいだけに、投手陣が本領を発揮すれば、準優勝投手である“市原勝人監督越え”も夢ではない。また04年の優勝の済美、05年の準優勝の神村学園など、創部3年目のチームが旋風もあるだけに、エナジックスポーツの戦いも気になります。
馬場:滋賀学園を挙げたいです。秋の近畿大会は8強止まりですが、1回戦では大阪桐蔭を下しており、戦力的には全国上位レベルにあります。ストロングポイントは投手力。長﨑 蓮汰(3年)と土田 悠貴(3年)の二枚看板は強力。長﨑は187㎝の長身から最速144キロのストレートとカーブで緩急を使った投球が持ち味。土田は最速142キロとストレートと鋭く曲がるスライダーを武器に昨夏の甲子園で好投しました。打線も川畑 鯉太郎(3年)、秋満 大知(3年)、吉森 爽心(2年)のクリーンナップを中心に強力。秋は土田が不調で、近畿大会2試合で9盗塁を許すなど課題も見えましたが、ここをクリアできれば、8強入りした昨夏以上の結果も狙えるでしょう。
塩澤:東海大札幌です。最速143キロ右腕・高橋 英汰投手(3年)は、北海道大会で4試合1失点と安定感を見せ、左腕エースの矢吹 太寛投手(3年)も、奪三振能力の高さを武器に神宮大会出場に貢献しました。特に矢吹投手は降雨の神宮大会で130キロ後半の直球、キレのあるスライダーを投げ込み、大会屈指の好左腕として注目しています。中軸を担う双子の太田 勝馬内野手(3年)、太田 勝心外野手(3年)を筆頭とした打線が噛み合えば、上位進出も狙えるチームです。
河嶋:千葉黎明を挙げたい。拓大紅陵出身の中野大地監督が就任してから「質の高い野球」にこだわってきました。中野監督の意図を理解し、判断力の高いプレーを見せています。機動力が使えて、守備も巧み。5投手が控えており、継投策で逃げ切る。昨秋は県大会から中央学院、専大松戸など強豪を破って、初の県大会優勝を収めました。関東大会準々決勝ではセンバツ優勝経験のある山梨学院を5対2で勝利し、ベスト4に入っています。センバツ初戦では智弁和歌山と対戦することになります。智弁和歌山の選手たちはU-15代表、中学硬式の選抜チームに入った選手などエリート揃いの選手たち。一方、千葉黎明は控え選手だった選手も多く、実績が少ない選手ばかり。一次登録となった選手は全員が千葉県の学校、クラブチーム出身です。かなり厳しい戦いが予想されそうですが、智弁和歌山を破ることになれば一気に勢いづくのではないかと期待しています。