今回、日頃、体の不調を和らげるための指導や、栄養指導なども行っているパーソナルトレーナーの三好たまきさんに、花粉症に悩む球児に向けて、コラムを執筆いただきました。春になると、花粉症で辛い思いをしている球児の皆さん。ぜひ、三好トレーナーのアドバイスを参考にしてみてください。

花粉症と免疫システムの関係

待ちに待った春ですが、多くの方が悩まされるのが花粉症。くしゃみ、鼻水、目のかゆみ…辛い症状に悩んでいる方も多い。周りの平気な人を見て『なんで僕だけこんなに辛いんだろう…?』って思ったことがあるだろう。実は、花粉症は、体質によって症状の出る度合いが大きく異なる。

今回は前半で、なぜ花粉症の症状が出る人と出ない人がいるのか、そのメカニズムをわかりやすく解説。そして、後半は花粉症の症状を少しでも和らげるための、具体的な対策4つを紹介したい。

そもそも花粉症って、一体何が原因で起こるのか。花粉症は、体を守るはずの免疫システムが、本来無害な花粉に対して過剰に反応してしまうことで起こるアレルギー症状である。

では、なぜ花粉症のアレルギー症状が出るのか、その仕組みを解説していきたい。
体には、外敵から身を守る『免疫システム』がある。これは体を守る防衛軍のようなもの。通常、この免疫システムは、体に害を及ぼすウイルスや細菌を見分けて攻撃してくれる、とても重要な働きをしている。

その免疫システムとして活躍してくれるのが免疫細胞で、「免疫細胞=身体の防衛軍」だと考えてほしい。花粉症の人の体内では、『慢性炎症』という状態が起こっている可能性が高い。

この『慢性炎症』になると、免疫システムが常に興奮状態になり、防衛軍が休むことなく警戒態勢を続けているような状態になってしまう。それが続くことで過敏になり、本来なら無害なはずの花粉に対しても『過剰に反応』してしまうのだ。

具体的には:
①花粉が鼻や目に入ってくる
②興奮状態の免疫システムが「危険な敵が来た!」と勘違い
③マスト細胞という免疫細胞が「ヒスタミン」という物質を放出
④このヒスタミンの影響で、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状が出現

体内では、このような流れで反応が起こる。つまり、花粉症は「慢性炎症によって過敏になった免疫細胞が、無害な花粉に過剰に反応してしまう」という状態なのだ。身体の中の防衛システムが、必要以上に敏感になってしまっているわけである。

ここまでの内容で、どうして花粉症の症状が出る人と、出ない人がいるのか、なんとなくわかってきたのではないだろうか。もう一度答えを言うと、花粉症の症状が出る人と、出ない人の差は、免疫システムの過剰反応が起こっているかどうかの違いということだ。

花粉症の症状を和らげるための具体策4選

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