指揮官にとっては42年ぶりの甲子園 近づく大舞台は楽しみ

 センバツに向けての課題は投手力か。秋はキレのあるストレートを投げる最速141キロの下防と最速144キロの力投派右腕・伊藤 達也(2年)が主戦を担ったが、二人とも野手兼任。近畿大会は全ての試合で継投した。

「投手力が今の天理では一番の課題だと思います。絶対的エースがまだ出てきていない」藤原監督は現状を分析する。「絶対的エースは試合で作り上げるものだと思っています。今後を楽しみに待っていたいと思いますが、近年の高校野球も先発完投は難しいと思っていますから、色んなピッチャーで1試合を作り上げるという方向性では仕上がってきていると思います」とセンバツでも継投策が中心になりそうだ。


期待のエース・下坊

 天理大時代は多彩な投手陣を擁して黄金時代を築いた藤原監督。センバツでもその手腕に期待したい。

 センバツでの目標は優勝。「一戦一戦全力で、どんな相手でも自分たちの野球を貫くというのが自分たちのテーマだと思うんで、そのテーマを崩さずにやっていきたいです」(永末)と一戦必勝で挑む構えだ。

 選手にとっては今大会が初めての甲子園。藤原監督にとっても自信が高校3年生で出場した1983年夏以来、42年ぶりの甲子園出場だ。今年で還暦を迎える指揮官も久しぶりの甲子園を心待ちにしている。

「選手もそうですけど、私もワクワクしております。甲子園というのは、大学の監督をしていた時からずっと見ていますけど、独特の雰囲気もありますし、一つの流れから大逆転もあり、色んな試合を見ていますんで、どうやって試合を作るんだ、どうやって勝利するんだというところで、非常に楽しみにしております」

 伝統の強さと新監督のカラーが混ざり合って、新たな強さを見せつけた天理。過去に春夏通じて55回の甲子園出場、3度の全国制覇の実績を持つ名門の戦いぶりに注目だ。