2025年春の第97回選抜高校野球大会(センバツ)は18日に阪神甲子園球場(西宮市)で開幕する。開催を前に、1回戦の対戦カード別に対決の見どころを紹介していく。

 第3日第3試合 壱岐(長崎)-東洋大姫路(兵庫)

 夏甲子園で優勝実績のある東洋大姫路。今大会も優勝校の一角に名が挙がっている強豪に対して、21世紀枠で春夏通じて甲子園初出場の壱岐が挑む対戦となった。東洋大姫路には大会屈指の右腕、阪下 漣投手(3年)が君臨。名門復活の担い手として、大いに活躍が期待されているが、この右腕に対して、壱岐打線がどう攻略していくのか。

 壱岐は昨秋の長崎大会、九州大会の公式戦で、13試合を戦い、チームでの盗塁数は42に上った。今大会ランキングではダントツの数字が物語るように、機動力を駆使して今回の21世紀枠をつかんだといえる。センバツでも、東洋大姫路・阪下を足で揺さぶることが予想される。

 1試合平均では3盗塁を超えるが、この数字はノーサインで積み重ねてきた。重盗、三盗も積極的に仕掛けることで、投手を揺さぶってきた。13試合すべての公式戦で出場しているメンバー7人すべてが盗塁をマークしている。とくに1番・小西 桜ノ介外野手(3年)、2番・岩本 篤弥捕手(3年)の1、2番コンビがそれぞれ9盗塁ずつ。個人ランキングでも2位タイにつける小西、岩本の俊足コンビの出塁が大きなカギを握りそうだ。

 阪下は剛腕だけでなく制球力も優れ、簡単には四球を与えないことでも評価されている。この1、2番の出塁だけはなんとか阻止してくるだろう。

 大会トップレベルの機動力を誇る壱岐打線と、大会屈指の右腕・阪下の攻防が勝敗を分ける。

東洋大姫路の主な投手の昨秋公式戦成績】

阪下 漣 12試合86.2回80奪三振14失点(8自責) 防御率0.83

末永 晄大 6試合38回34奪三振6失点(4自責) 防御率0.95

壱岐の主な打者の昨秋公式戦成績】

岩本 篤弥 13試合37打数16安打5打点9盗塁 打率.432

小西 桜ノ介 13試合43打数10安打7打点9盗塁 打率.233

久保田 空輝 6試合19打数6安打1打点6盗塁 打率.316