守備、走塁は目を配ることを意識したい
守備に関しては一歩目のスタートやハンドリングといった技術面だけでなく、「周りに目を配ることや守備位置も気にするようにしています」と視野を広く持ってプレーすることも課題に挙げた。赤埴は内野の要であるだけでなく、主将としてチームを引っ張ることも意識している。主将になったことは、野球選手として成長する上でもプラスになると捉えているようだ。
「キャプテンになった分、自分のことと周りを見ることという2つができています。しんどいですけど、チームの人たちが自分たちを支えてくれているので、凄く感謝しています。引っ張っていく立場なので、もっと全員を引っ張っていけたらなと思っています」
赤埴の理想を全て兼ね備えていると感じているのが西武の源田壮亮。「そういう選手に少しでも近づけるような選手にはなりたいと思っています」と高い目標を掲げて練習に取り組んでいる。
また、打撃練習では木製バットを持つ赤埴の姿があった。1月に入ってから使い始めるようになったという。その理由をこう語ってくれた。
「自分は上の舞台でやるという目標があるので、そこに少しでも近づけるようにという意味でもそうですし、自分に合ったバットを探してみても良いんじゃないかなと思ったので、木を使うきっかけになったと思います」
木製バットと金属バットの両方を使って、最適解を探っていた。悩んだ結果、3月13日の甲子園練習の取材で、赤埴は金属バットを使うことを決断した。金属バットでチームの勝利に導く快打を見せたいところだ。
チームとしては、走塁面にも高い意識を置いている。特に1番を任されている赤埴には機動力を発揮することが求められる。昨秋の近畿大会では赤埴がセーフティバントから得点に結びつける場面もあった。新基準バットになってから、走塁への意識がさらに高まったと赤埴は言う。
「走塁の意識がどんどん高くなっていけば、良いチームになっていくと思いますし、絶対強いチームにもなれると思うので、低反発バットになったからこそ、そういうところをしっかり意識してやっています」
赤埴にとっては、これが初めての甲子園。今後の野球人生を左右するような大会になるかもしれない。今はチームを勝たせることが、今後にも繋がると考えているようだ。
「結果的にプロ野球選手という形になれば、一番良いですけど、まずはそのセンバツを勝たないとそういうところも見えてこないので、チームのために絶対に1勝するという気持ちでしかないです。どうやったら優勝できるのかというのを今はずっと考えて、そこを突き詰めてやっています」
28年ぶりの優勝を勝ち取るために赤埴の活躍は絶対条件だ。大会屈指の遊撃手として実力を見せつける。