＜春季東京都高校野球大会第9ブロックA：江戸川８－０八王子北(7回コールド)＞◇15日◇1回戦◇佼成学園グラウンド

　都立の実力校同士の対戦。八王子北は、秋は1次予選の代表決定戦で敗れたものの、日体大荏原とタイブレークに及ぶ、熱戦を繰り広げた。それだけに江戸川のエース・石橋 諒樹投手(3年)も、警戒してマウンドに上がった。石橋諒は、夏もエースとして投げていたが、大会後に肩を痛め、秋はベンチにすら入っていなかった。そこで下半身を徹底して鍛えた。その結果、「少ない力でも球が行くようになりました」と、石橋諒は言う。

　立ち上がり、「球が浮き気味でした」と石橋諒は言う。けれども球に力がある分、浮き球が高めの伸びのある速球になり、1回表に安打を2本打たれながらも、奪三振３の快投だった。2回表も走者を2人出しながらも奪三振は２と、力強い投球が続く。

　江戸川は、攻撃面では1回裏に4番・石田 悠捕手(２年)の適時二塁打などで３点を挙げる。さらに３回裏は５番・山田 承太郎外野手（２年）、6回裏には6番・叶内 駿輔外野手（3年）がいずれも二死から本塁打を放ち、着実にリードを広げる。4回裏にも3点を挙げており、８－０と江戸川が大きくリードする。

　石橋諒は、中盤ややバテ気味だったものの落ち着いた投球で、得点を許さない。結局7回を投げて被安打５、奪三振10、無失点。球威には今後の可能性を感じさせる好投だった。８－０の7回コールドで江戸川の勝ち。江戸川の芝 英晃監督は、強豪に対してコールドでの勝利に「意外な結果でした」と、語る。それでも、秋は肩を痛めて投げられなかったエースの石橋諒が復活し、打線も本塁打2本などで8点を挙げる快勝であった。

　芝監督はベテランの指導者だが、1年前に母校に戻ってきた。バッティングゲージにライトをつけるなどして、打撃練習を増やし強化してきた。そうした冬場の強化の成果を示しての春の1勝だった。

　一方、八王子北は２、3年生の部員が12人と少ない。それでもしっかり練習し春に臨んだが、「受け身になってしまいました」と、秋田 俊太郎監督は語る。それでも実績のある学校だけに、今後の巻き返しに期待したい。