4部リーグの快進撃、ダークホースが存在感を発揮

トーナメント右上は、慶応義塾大、神奈川大、国士舘大のシード校がそれぞれ勝ち残っている。そんななか、シード校である東洋大を破ってベスト16入りを果たしたノーシード・専修大の快進撃が止まらない。

3試合を戦って、未だ1失点という強力投手陣の中心であり、主将の竹村健太投手(星稜出身)は「相手のデータを把握しつつ、『絶対に勝つ』という気持ちで戦ってきた」と3回戦までを振り返る。4回戦ではシード校・慶応義塾大が待っているが、「チーム一丸となって戦います」と一戦必勝の姿勢だ。

その慶応義塾大の主将・豊島 康平外野手(慶応出身)は「(ここまで)オフシーズンで成長した実力を出すことが出来た」と振り返る。4回戦でも同様に実力を発揮することが出来るか。

また優勝候補にも挙がる国士舘大の主将・渡邊嘉人内野手(立正大立正出身)は「チャレンジャー精神、手堅い野球で一戦一戦闘って行きます」と語り、警戒される中でも向かっていく気持ちで上位進出を目指すつもりだ。

最後にトーナメント右下は法政大、筑波大、立教大、帝京大が順当な勝ち上がりを見せている。そんなシード校相手に好ゲームを見せたのが立正大と国士舘大学世田谷の2校である。

立正大は普段、東都4部リーグに所属しているが、初戦では3部リーグにいる東京農工大に4対3、2回戦では2部リーグの国学院大に3対1で勝利。3戦連続での下克上へ、1部リーグの強豪・帝京大に挑んで5対11で敗戦したが、エースである尾下大将投手(駒場学園出身)の力投は、たしかな爪痕を残した。

国士舘大学世田谷は3回戦で東京六大学の強豪・立教大に8回まで2対1で1点リードする展開。勝利まであとアウト1つまで迫ったが、立教大の意地に押し切られてサヨナラ負け。ただ主将・大野真太朗投手(習志野出身)は「試合を重ねるごとにチームの成長を感じ、強敵相手にも自分たちの野球を貫くことができた」とレベルアップに繋がったようだ。

今大会、関東連盟加盟校全体のレベルアップ、試合機会の確保という目的で、第2シード制度を採用した。結果、9回まで白熱した投手戦も繰り広げられ、タイブレークに突入する試合が増えた。実際、前回大会なかったタイブレークが4試合。また下部リーグの下克上が起こるという試合も生まれ、緊張感が漂う試合が続いている。

これには大会運営に携わる学生委員からも「手に汗握る展開が多くなった」と第2シードを設けた効果を実感しているようだ。

シード校でありながら、ベスト16に入ることができなかった大学。逆に、数年ぶりにベスト16入りを果たした大学など、3回戦まででも様々なドラマが見られた。17日よりベスト8をかけた4回戦が始まる。

昨年同様、中央大をはじめとする東都リーグが上位に食い込むのか。それとも他のリーグの強豪が阻止するのか。夏の全国大会、全国大会出場をかけた予選会への切符をつかみ取るのはどこか。白熱した戦いが展開されることを期待したい。