13日、阪神タイガースの秋山 拓巳投手(西条)が今季限りでの現役引退を発表した。
小学校3年時に香川県丸亀市から愛媛県西条市へ移り住み、西条リトル、西条リトルシニアで活躍。高校も西条に進学すると、3年時には春夏連続で甲子園出場に導き、同年ドラフト4位で阪神タイガースから指名を受けた。通算49勝、2ケタ勝利3度の名投手の引退に、愛媛県各所から惜しむ声が聞かれた。
高校時代、監督として秋山投手を指導した田邉 行雄氏(現:新居浜南副部長)は想いもひとしおだ。
「引退発表の3日前に連絡がありました。普段はめったに連絡がない秋山からの電話ですから“悪い知らせだな”と感じました。正直もっとやってほしかった。そんな想いもありますけど、本人には『15年間本当によくやった』と話をしました」
高校時代から最速150キロの直球に左のスラッガーとして高校通算48本塁打を放つなど、才能に溢れていた教え子との思い出も振り返る。
「正直、あまちゃんの部分もありました。高校時代は決して多くない練習量だったのに150キロを出したし、『野球が好き』という部分は誰にも負けていなかった。プロに入っても野球好きの部分を忘れず、突き詰めていったことで2ケタ勝利3回をマークしたのでしょう。見事です」
秋山投手は、一昨年12月、愛媛県内で現役高校球児を対象に開かれたシンポジウム『夢の向こうに』に出席。
「“野球王国えひめ”復活のためにできることは何でもしたい」と挨拶し、毎年12月恒例のプロ野球愛媛県人会野球教室でも熱心に小中学生を指導するなど、愛媛県野球への想いはひとかたない。
「現役引退後も何らかの形で野球に貢献してほしい」と願う田邉氏をはじめ、愛媛・四国の人たちは秋山 拓巳の「これから」もずっと応援し続ける。