<第97回選抜高校野球大会:健大高崎3-1明徳義塾(延長10回タイブレーク)>◇18日◇1回戦◇甲子園
明徳義塾(高知)が、1回戦屈指の好カードに敗れ、初日で甲子園を去ることになった。センバツ連覇を狙う健大高崎(群馬)の前に、延長タイブレークの末に競り負けたが実力は間違いなく拮抗していた。勝負には負けたが、力では劣っていなかった。
マウンドで投げ続けた左腕がそれを象徴していた。先発した池崎 安侍朗投手(3年)は、138球を投げ、10回で3失点。結果的に負けてしまったが、優勝候補打線を相手に堂々とした投球だった。7回までは、1点を与えた4回に許した連打の2安打だけ。その4回以外は3人で攻撃を終わらせた。
昨年夏も甲子園を経験した。国民スポーツ大会も、明治神宮大会にも出場した。その投球から一冬越えたこのセンバツ。大きな「モデルチェンジ」をしていた。走者がいなくてもセットポジションで投げ、少し二段モーションのような感じだったが、センバツのマウンドではノーワインドアップでスムーズな足の運びを見せていた。右足を後ろではなく、やや横に置く構えからのノーワインドアップで、セットポジションに近い感じだが、繰り出される投球の質が変わっていたのを感じた。
直球の球質が重く感じられ、スライダーなどの変化球も球速がアップしたような印象を持った。健大高崎打線が差し込まれることが多く、内野ゴロも多かった。8三振を奪うなど、強力打線からも三振が奪えるほど、直球、変化球のキレが増していた。
打線の援護なく敗れたが、この「モデルチェンジ」は夏への大きな自信となるに違いない。さらには、もっと先の将来にも大きな自信にできるのではないか。のちのちの野球人生で「あの健大高崎戦で敗れた試合で自信になりました」と振り返ることができるような気がする。
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