<第97回選抜高校野球大会:健大高崎3-1明徳義塾(延長10回タイブレーク)>◇18日◇1回戦◇甲子園

 第97回選抜高等学校野球大会の初日に行われた健大高崎vs明徳義塾の一戦は3対1で健大高崎が勝利し、優勝した昨年に続き、初戦突破となった。脇腹に不安を抱える剛腕・石垣元気投手(3年)の登板はなかった。

 惜しくも敗れた明徳義塾はエース左腕・池﨑 安侍朗投手(3年)の好投が光った。敗れた明徳義塾の馬淵史郎監督は「攻撃のミスが多かったですね」と振り返り、その中で初回、無死一、二塁でバントミスで併殺になったことを悔やんだ。

健大高崎は下重(賢慎)が先発で投げてくることを想定して、かなり対策をして、彼が投げにくい打席位置などを考えました。そこからチャンスを作ったのは良かったですが、ボール球でした。決してバントが苦手な選手ではないですが、勝負のアヤがああいう形で決まってしまいましたね」

 その後もところどころで攻撃ミスがあり、流れを引き寄せることができなかった。

 また、馬淵監督は前日の監督対談で、エースの石垣を休まさせたほうがいいと健大高崎・青柳博文監督に勧めた。これは戦略ではなく、石垣を思いやってのアドバイスだった。

「口撃とかではなく、3月の寒い時期に投手が脇腹を痛めるというのは結構危ない怪我です。うち(明徳義塾)でしたら、投げさせません。監督の青柳くんとは旧知の仲ですから。石垣はドラフトを狙える投手。将来を考えたら、気をつけるべきで、今日は投げさせなくて青柳監督の決断は正解なんです」

 石垣は試合中のブルペンでは、5割程度の力で立ち投げに留まった。2回戦は中4日を置いての23日になるが、万全で投げられるかは不透明だ。

 昨秋の明治神宮大会では横浜、選抜では健大高崎とこの世代では優勝候補と呼ばれる相手に互角の戦いを見せる明徳義塾は夏も注目のチームといえそうだ。