3月20日春季愛知県大会を目指した各地区予選が開幕する。東西三河地区と名古屋市地区、知多地区、尾張地区の5地区があるが、参加校数や会場の都合などもあって、各支部によって大会運営方法が異なる。昨秋の結果を基に、地区ごとに、今春の見どころを探ってみた。
*選手は、(新2年)表記がある選手以外はすべて、新3年生。
東三河地区は豊川、豊橋中央など個人の実力が高いチームが集結
20校が参加する東三河地区は、5校ずつが4つのゾーンに分かれて一次リーグ戦が行われる。そして1位校4校が決勝トーナメント、2位校と3位校は順位決定トーナメントに進み、上位2校が県大会進出となる。
豊川、豊橋中央、桜丘の私学3校と渥美農がそれぞれのゾーンのシードとなっている。昨秋の東三河1位を競った豊川と豊橋中央が今春も筆頭候補となる。昨秋県大会ベスト8の豊川は、昨春のセンバツを経験している中西 浩平投手と平野 翔馬投手や強打の北田 真心選手らが健在で投打に充実している。豊橋中央も、昨夏からの経験値も高い高橋 大喜地投手がおり、松井 蓮太郎捕手も評価は高い。
豊橋公園の奥に新グラウンドが完成して会場校としての運営も行うようになった桜丘も、夏のメンバーが多く残っている。それだけに、この春は県大会上位を狙いたいところだ。故障から復活したエース候補の宮原 啓斗投手をはじめ、安定している澤田 我暉投手(新2年)、140キロ超えのスピードボールがあり、抑えの切り札的な存在の福井 晴太投手と投手陣は頼もしい。一次リーグで当たる時習館との試合は面白そうだ。ちなみに昨秋も対戦しており、その時は渥美農が4対0と完封勝ちした。
伝統的に練習量の多い渥美農は加藤 翔投手、高橋 旭捕手のバッテリーを中心とした手堅い守りのチーム。決勝トーナメントに残り、何とか3強の一角を崩したいところだ。
シード校以外では豊橋西が面白い存在だ。かつて豊橋工を21世紀枠代表でセンバツへ導いた林 泰盛監督が、持田 侑闘投手や久田 絆都投手をどう生かしていくのか見どころだ。豊橋中央のゾーンには豊橋工、豊橋商もいる。最混戦ゾーンでもある。
各リーグ戦の中で、注目カードとなるのは「桜丘vs成章」だ。成章は田原市の人口減少の中でのチーム作りだが、夏もマスクを被った高橋 琢真捕手と藤田 小虎太郎主将を中心とした堅実なチームだ。このゾーンでは新城有数館も面白い存在となりそうだ。
今年の西三河地区は激戦!リードするのは昨夏ベスト8の杜若か
西三河地区は今年も、各校が競り合う最も混戦区となっている。そんな中で昨夏のベスト4で秋の県大会もベスト8に進出した杜若が頭一つリードしている。夏の東邦戦で好投した西脇 光世投手、長塚 太陽投手に4番を任されていた藤田 悠斗主将ら経験値もある選手が多く残っているのも心強い。田中 祐貴監督も躍進を目論んでいるようだ
追いかけるのは三好と刈谷に西尾、安城、西尾東といった公立勢だ。三好は昨秋も西三河地区2位校となった。また、その後の全三河大会では準決勝で豊川にタイブレークで敗れたものの、渡邊 昂太投手の好投は光った。4番小塚 朗葉もシュアな強打者だ。
刈谷は毎年、安定した力を示している。昨秋は県大会でその刈谷を下したのが西尾東だった。また西尾も毎年、堅実で粘り強い好チームを作ってきているので期待ができる。ミラクルな戦い方が注目される安城も侮れない。
ほかにも岡崎工科、刈谷工科、岡崎商などの実業校も、熱心な指導者の下で、きっちりと練習を積みあげてきている。
このところやや上位進出がない愛産大三河や人環大岡崎、安城学園などの私学勢の巻き返しも期待したいところだ。