<第97回選抜高校野球大会:横浜4-2市和歌山>◇19日◇1回戦◇甲子園
3大会連続で初戦突破を果たしていた市和歌山(和歌山)は、V候補の横浜(神奈川)の前に敗れ、4大会連続の初戦突破はならなかった。横浜の強力投手陣の前に、5安打に抑えられ、夏へのリベンジに向かうことになる。
横浜の先発、織田 翔希投手(2年)が5回2失点(自責1)の力投。152キロをマークして甲子園を沸かせたなか、市和歌山の2年生右腕も、甲子園のファンの脳裏に焼き付く投球を見せた。
エースの土井 源二郎投手(3年)が3回途中降板も、2番手で登板した丹羽 涼介投手(2年)が9回までの6.2回を1失点。わずか2安打しか許さず、横浜打線から8三振も奪った。昨秋公式戦15試合でわずか1三振だったプロ注目の阿部 葉太外野手(3年)から三振(記録は振り逃げ)を奪い、球速も自己最速を更新する147キロをマークした。阿部葉も「かなりキレのボールが来ていて、打ちにくかったです」と振り返った。
丹羽は 「織田が152キロを投げたので力が入った。冬に捻転動作を意識したフォームに変えたことで、ストレートの球速、コントロールも良くなった。フォーク、カットボール、スライダー、カーブを投げていて、しっかりと腕が振れた」と胸を張る。
強力打線を相手に、直球でグイグイ押すかと思いきや、キレのあるスライダー、フォークボールなどで凡打を重ねた。許した2安打はいずれも奥村 頼人投手(3年)。その他の打者は無安打に抑えた。川邊 謙信捕手(3年)も「かなり良かった。入学当初はコントロールも安定していなかったが、だいぶ良くなって、長いイニングを投げられるようになった」と成長を口にした。
ソフトバンクの有原 航平投手(広陵出身)のように、右腕を下げた状態から、素早く腕を振るフォームで、直球、変化球にキレを与えている。打者からも腕の出所がわかりにくく、腕の振りがわかりにくい特徴もある。
まだまだ発展途上の2年生右腕。敗戦のなかでもつかんだ自信を胸に、夏に再び甲子園に戻ってくることを期待している。
<各イニングごとの丹羽の最速>
3回 146キロ
4回 147キロ
5回 147キロ
6回 147キロ
7回 144キロ
8回 143キロ
9回 144キロ
(平均140.79キロ)
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