昨シーズン、4年ぶりのセ・リーグ制覇を果たした巨人。今オフは甲斐 拓也捕手(楊志館)、ライデル・マルティネス投手が加入するなど、リーグ連覇へ抜かりない補強を行った。その先に見据える日本一奪回に向け充実な戦力が揃う一方、オープン戦期間で投打に課題も見えてきた。

 投手陣で気がかりなのは先発ローテーション候補の不調だ。昨年8勝を挙げた井上 温大投手(前橋商)は、11日のソフトバンク戦で4回3失点、続く18日の日本ハム戦では4回1失点に抑えたが、80球を要したことに阿部 慎之助監督からも苦言を呈されていた。また、2年連続2桁勝利の実績を持つ山崎 伊織投手(明石商)も、オープンで結果が振るわず苦しんでいる。19日の日本ハム戦では、4回92球5失点でマウンドを譲るなど、本来の投球が発揮できていない。

 本来であれば、2人は絶対的エース・戸郷 翔征投手(聖心ウルスラ)とフォスター・グリフィン投手の2枚看板に続く戦力として計算したいところだろう。既に新戦力の石川 達也投手(横浜)、田中 将大投手(駒大苫小牧)が当確となっているが、未知数な部分も多い。赤星 優志投手(日大鶴ケ丘)、堀田 賢慎投手(青森山田)と控え投手の状態もいいだけに、開幕前に不安を払拭できる投球を見せられるか。

 野手は相変わらず内野が強力で中山 礼都内野手(中京大中京)のアピールも好材料だ。その中で不安要素をあげるとするならば、外野手のレギュラー争いではないか。特に丸 佳浩外野手(千葉経大付)の負担は考慮する必要があるだろう。

 今年はキャンプ直後に「丸センター構想」が浮上し、オープン戦でも両翼を怪我明けのエリー・ヘルナンデス外野手、新助っ人のトレイ・キャベッジ外野手が守っている。実績や能力を考えると丸をスタメンから外すことは考えにくいが、今年36歳を迎えるベテランは守備力で衰えも見える。昨年両翼を守っていたことも考えると、再びセンターに戻り、グラウンドを駆け回るのは相当な負担になることは間違いない。

 センターの候補では、オコエ 瑠偉外野手(関東第一)がオープン戦10試合で8安打を放ち、打率.444と結果を残している。守備力を考えるとシーズンを通して見た時に、レギュラーとして起用してもいいのではないか。

 若手には浅野 翔吾外野手(高松商)、萩尾 匡也外野手(文徳)、秋広 優人内野手(二松学舎大付)ら、飛躍が期待される選手も多い。両翼の助っ人に食い下がり、レギュラー争いに割って入る活躍で存在感を示したいところだ。