3月20日から4月3日にかけて行われている第156回九州地区高校野球大会鹿児島県予選。鹿児島市の平和リース、鴨池市民、両球場で4つの連合を含む59チーム70校が頂点を目指し、優勝チームが九州大会(長崎・4月19日―24日)に出場する。昨秋の大会を制した神村学園が第1シードで、以下鹿児島実、樟南、国分中央、出水中央、隼人工、鹿屋中央、れいめい、8強以上の8チームがシードされた。
一昨年のNHK旗以降、約2年間県大会負けなしの神村学園は3季連続の甲子園出場を逃した悔しさを春の県大会に向け、夏3連覇への足掛かりとしたい。逆に神村学園の「連勝記録」を止めるのはどのチームかも大きな見どころだ。
鹿児島実、樟南の伝統校、公立の雄・国分中央などがその一番手に挙がってくるか。急速に力をつけている隼人工や強豪私学の鹿屋中央、れいめい、出水中央の下位シード勢も力がある。組み合わせを4つに分けて、今大会の展望を分析する。
【神村学園―れいめいブロック】
県内負けなしを継続している神村学園の力が頭一つ抜けている。投手の柱となる右腕・早瀬 朔(3年)、打の中心を担う今岡 拓夢主将(3年)、入耒田 華月(3年)ら、2年連続夏の4強を経験したメンバーらが、高いレベルでチーム内の競争をして、一冬越えてどのくらいパワーアップしたのか。今春のセンバツを逃し5季連続甲子園を断たれ、夏3連覇に向けての足掛かりとしたい。これに続くれいめいは左腕エース伊藤 大晟(3年)が前チームからの経験も豊富で最速140キロの球速を誇る。制球難をいかに克服するかが、チームの浮沈を握る。尚志館との「川島学園」対決は1回戦屈指の好カードだ。名門・鹿児島商も昨秋は不覚を取って初戦敗退だったが、潜在力は県トップクラスに引けを取らない。鹿児島、伊集院なども面白い存在だ。
【国分中央―出水中央ブロック】
県内公立校の中でトップの実力校といえば国分中央で間違いないだろう。昨秋は好投手・伊藤を擁するれいめいに競り勝ち、鹿児島実とも接戦を演じた。剛球投手や大砲はいないが、苦しい試合を粘り強く勝ち抜ける国分中央ならではの「色」がある。未だ果たせていない九州大会出場を勝ち取って、夏への勢いをつけたい。第5シード・出水中央は昨夏を経験している左腕・坂口 颯(3年)らを中心に、投打にバランスが取れて高いチーム力がある。枕崎はこちらも経験豊富な左腕・岩榮 健太郎(3年)を擁し、昨秋は国分中央と1点差の接戦だった。初戦に勝てば2回戦で再戦となり、注目のカードとなりそう。川内商工、鹿児島中央などの県立勢の成長ぶりにも着目したい。