<第97回選抜高校野球大会:山梨学院5-1天理>◇20日◇1回戦◇甲子園
194センチ以上の存在感だった。山梨学院(山梨)の背番号3、菰田 陽生内野手(2年)は、打席に立つだけで物理的にも、心理的にも投手を「圧倒」するに十分だった。投げては最速146キロ右腕、打っては高校通算6アーチの長打力を誇る。「ポスト大谷翔平」とも呼ばれる将来性は計り知れない。やはり驚きの雰囲気を持つ選手だ。
1回、3回の打席では、相手投手の変化球にまったくタイミングが合わず、連続して空振りの三振に終わっていたが、3打席目からは別人に変わった
「第1打席と第2打席は緊張のあまり、球が見えてなかった。部長から指摘されて体が突っ込み気味になっていたので、それを修正した」
3打席目はあきらかに右方向を狙った打撃で右中間へ弾き飛ばして、右翼手の失策も呼び、二塁へ到達。9回の最後の打席では左前安打を放ってみせた。「第3打席以降は自分でもよい打撃ができた」。修正能力の高さと、打球の鋭さは、やはり本物だと感じるに十分だった。
「マウンドに立ちたい思いはあるが、まずは、守備をしっかりやって、次の試合にも臨んでいきたい」
2回戦で西日本短大付(福岡)と対戦するが、初戦突破に貢献したビッグな2年生の登板はあるのだろうか。登板の機会があれば150キロを出したいという右腕だけに、今度はマウンドでビッグな存在感を示してくれることを期待したい。