<第97回選抜高校野球大会:東洋大姫路7-2壱岐>◇20日◇1回戦◇甲子園

 東洋大姫路(兵庫)が21世紀枠出場の壱岐(長崎)に逆転勝ちを収め、2008年以来、17年ぶりとなるセンバツ勝利を手にした。

 1回、先発した大会注目右腕の1人、阪下 漣投手(3年)の制球が定まらず、2四球と適時打を許して2点を先制された。阪下が1回で降板する事態となったが、打線が奮起した。

 4回に1点を返すと、5回に3本の長打を含む5安打を集め、一挙5得点。試合をひっくり返して、昨秋近畿王者の実力を見せつけた。

 2回から救援した木下 鷹大投手(3年)が9回までの8回を2安打9奪三振無失点に抑え、壱岐打線に反撃の糸口を与えなかった。木下は「阪下は不調な感じで序盤から出番があると思っていたので、準備はできていた。秋は投げられなかったのもあり、力が出せて嬉しい。最速147キロが出て良かった」と笑みを浮かべた。

 履正社(大阪)を率いて夏甲子園優勝の実績のある岡田監督は、母校を率いての「初陣」を白星で飾った。「木下がよく投げた。彼はケガする前から経験がある投手。実戦力に不安はない。故障したことで考え方が変わった。悔しさをバネにやってくれたから、甲子園でも快投できた。阪下は降板したが、何があるか分からないからこそ、1回から控え投手は準備している。そういったプランを想定してできた」とナインの健闘を称え、「東洋大姫路の校歌が歌えてよかった」とOBの顔に戻っていた。

 「100年の奇跡」と盛り上がった壱岐の離島住民への勝利を目指した壱岐ナイン。初回に2点を奪うなど、一塁側アルプスを埋め尽くした大応援団から大声援を受けて反撃を試みたが初戦敗退。東洋大姫路の壁は厚かったが、この経験を夏につなげるつもりだ。

※センバツ・トーナメント表はこちらから