<第97回選抜高校野球大会:エナジックスポーツ8-0至学館>◇21日◇1回戦◇甲子園
エナジックスポーツ(沖縄)が、2022年創部から3年で臨んだ甲子園初陣で、見事初勝利をつかんだ。「ノーサイン野球」をかかげて乗り込んだフレッシュなナインが、思う存分に聖地を駆け抜け、至学館(愛知)を投打で圧倒した。
2回に連打と犠飛で1点を先制すると、3回には1番・イーマン 琉海内野手(3年)が「超快足」を飛ばしての三塁打と、2番・山城 幹大捕手(3年)の幸運な適時打で1点を追加。自慢の1、2番で試合の流れを引き寄せると、7回には3番・砂川 誠吾外野手(3年)の2点適時三塁打が飛び出すなど、6点を挙げて試合を決めた。イーマンはノーサイン野球での攻撃について「しっかりと、アイコンタクトを取りながらできた」と自分たちが培ってきた野球を披露したことを喜んだ。
投げては先発左腕の久高 颯投手(3年)が、至学館打線を4安打に抑えての完封勝利。2番から7番打者まで無安打を抑え、中軸を完全に封じ込んだ。久高は「体に硬さがあって、思うように投げられないこともあったが、冷静に落ち着いて自分の投球ができた。今まで 完封勝ちはなかったので、甲子園で初完封ができて嬉しい」と声を弾ませた。守備でも、一、二塁からのダブルスチールで、山崎捕手が二塁へ送球し一塁走者をアウトにするなど、型にとらわれない連係プレーも披露した。
創部3年。浦添商を率いて夏甲子園4強の実績がある神谷監督が育てたナインが、初の甲子園で躍動。今大会の台風の目を予感させる戦いぶりだった。なお、カタカナの入った校名の甲子園出場は6校目だが、センバツではエナジックスポーツが初めての勝利だった。
至学館はエナジックスポーツ・久高の前に、4安打に抑えられリズムに乗れなかった。この日のスタメン中、6人が2年生。この経験を、激戦区の愛知の夏に生かすつもりだ。