<第97回選抜高校野球大会:聖光学院4-3常葉大菊川(延長12回タイブレーク)>◇22日◇1回戦◇甲子園
聖光学院(福島)が常葉大菊川(静岡)との大激戦を、延長12回タイブレークの末にサヨナラで制して、5大会連続の初戦突破を決めた。3対3で迎えた延長12回裏、1死一、三塁で、途中出場の鈴木 来夢外野手(3年)が、センターへの犠牲フライを放って、激戦にピリオドを打った。
斎藤監督は「鈴木はバントが一番うまいが、バッティングがこの冬、非常に伸びた選手だったので、どちらでも選択肢が取れる選手として送り出した」と振り返り、鈴木も「もともと、守備が得意で、打撃が苦手だったが、この冬で練習をしてきた。あの場面は詰まったので、大丈夫かなと思ったが、サヨナラになってくれてよかった」と笑みを浮かべていた。
息詰まる投手戦で0対0のまま延長戦へ。聖光学院の先発・大嶋 哲平投手(3年)、常葉大菊川の先発・大村 昂輝投手(3年)が互いに譲らず、無失点投球を続けると、守備陣も好プレーで盛り立てる展開だった。
延長10回に常葉大菊川は2点を奪うが、聖光学院はその裏に2死と追い詰められながら、相手投手のボークなどもあって、同点に追いつく粘り強さを発揮。11回も1点を勝ち越されても、再び追いついて延長12回へと突入していた。
大嶋も大村も10回を投げて2失点と好投。最後にわずかに聖光学院に勝利の女神が微笑んだ形となった。大嶋は「昨年の秋の反省を生かして、下半身を使った投球フォームに変えた 。その結果、130キロ前後でも打ち取れる球になった。相手はいいバッターが多いので、非常に配球面で気をつけた」と声を弾ませていた。