<第97回選抜高校野球大会:浦和実3-0滋賀学園>◇22日◇1回戦◇甲子園

 浦和実(埼玉)が創部50年で初めて挑んだ甲子園の舞台で、昨夏甲子園8強の滋賀学園(滋賀)に快勝して、記念すべき甲子園初勝利をつかんだ。先発の変則左腕、石戸 颯汰投手(3年)が6安打完封劇。大舞台で臆することなく、ナイン全員が実力を出しきった勝利は、埼玉県勢としてセンバツ50勝目となった。

 石戸は、右足を高く振り上げる変則フォームから、左腕がやや遅れて出てくるため、打者からは球の出所がわかりにくく、タイミングが取りにくいのが特徴。その長所を存分にいかし、滋賀学園打線から27アウト中、ライナーでのアウトを含め、16個のフライアウトを奪った。球速こそ最速130キロだが、相手打者を詰まらせて簡単にアウトを重ねていった。

 石戸は「挑戦者のつもりで向かっていった。次も強い相手になると思うので、試合にしっかりと準備していきたい」と口もとを引き締めていた。

 打線は5回に4本の長短打を浴びせて一挙3得点。2番・佐々木 悠里外野手(3年)が先制打を放てば、4番の三島 陽之介内野手(3年)が2点適時二塁打を放ってリードを広げた。この回以外は、わずか1安打に抑えられたが、聖地での集中打で勝利をもぎ取った。

 滋賀学園は、終盤に石戸をとらえ始めたが、序盤の凡打が響いて完封負け。3度目のセンバツ出場で、初の初戦敗退となった。