初出場の浦和実が昨夏甲子園ベスト8の滋賀学園に完封勝利を挙げた。
注目が集まったのは技巧派左腕・石戸 颯汰投手(3年)の投球だ。右足を高々と上げつつ、叩くようなリリースで投げ込む常時120キロ前半(最速130キロ)の速球に、強打の滋賀学園の打者がことごとく空振り、そしてポップフライを繰り返す。滋賀学園は高めの速球に手を出さないように指示を出していたが、どうしても手が出てしまう。小野 心太朗捕手(3年)は「本当に伸びのあるストレートでした」とコメントし、3番・川畑 鯉太郎外野手(3年)は「タイミングが取れないわけではないですし、確かに伸びもありましたけど、厄介だったのは90キロ台のカーブです。あのカーブのあとのストレートは打ちにくかったです」と手を焼いた。
正捕手・野本 大智(3年)は「高めは危ないので、低めに指示していたんですけど、伸びてくるので、フライになるんですよね。捕手から見ると、垂れません。どんな球速帯でも垂れないストレートはかなり打ちにくいと思います」と評した。そこからカーブ、スライダー、チェンジアップを要求して、滋賀学園打線を翻弄し、5安打完封となった。
昨秋は浦和学院、つくば秀英に完封勝利を上げ、防御率0.72の好成績を残し、優勝候補に挙がる横浜も石戸の前になんとか3点を取ったが、かなり苦しめられていた。
関東の強豪校を苦しめた石戸の投球術は全国でも通用することを甲子園の舞台で証明した。
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