<第97回選抜高校野球大会:聖光学院4-3常葉大菊川(延長12回タイブレーク)>◇22日◇1回戦◇甲子園
常葉大菊川(静岡)が延長12回タイブレークの末に、聖光学院(福島)に競り負けた。3対3で迎えた延長12回裏、1死一、三塁で、犠牲フライによる1点でサヨナラ負け。ベンチで敗戦の瞬間を見届けた、先発・大村 昂輝投手(3年)は、リベンジを胸に誓った。
甲子園で初めてマウンドに立ち、先発9回まで強豪チームを相手を無失点に抑えた。6安打しか許さず、死球1はあったが、四球は1つも与えなかった。ずば抜けた球速はないが、制球力は抜群で、右打者への内角直球と、外角へのチェンジアップを中心とした変化球を駆使し、連打を許さなかった。相手の大嶋 哲平投手(3年)との投げ合い。両者の意地と意地がぶつかり合う投手戦を演じた。
タイブレークの延長戦に入って、味方が10回表に2点を奪ってくれた。その裏のマウンドで、犠打と三振で2死二、三塁となり、この試合初めて四球を出してしまって満塁となったが、あと1つアウトを取れば勝利が手に入る、というところで、痛恨のボーク。1点を奪われ、適時打を浴びて同点とされた。ボークで流れが大きく変わってしまった。後続を抑えサヨナラ負けは防いだが、10回で降板となった。
「自分の持ち味である、丁寧に投げることを心がけた 。まさかボークを取られると思ってなかった」
聖地のマウンドは悔しい思い出となったが、10回137球7安打2失点は十分に合格点だろう。「この冬はケガで苦しんで、チームに迷惑かけたが、なんとか投げれてよかった。これからも持ち味を出して、チームに貢献していきたい」。忘れられないマウンド経験は、夏への飛躍の糧とする。