<第156回九州地区高校野球大会鹿児島予選:大島7-0鹿児島高専(7回コールド)>◇22日◇1回戦◇平和リース
序盤は大島・田中 誇生(3年)、鹿児島高専・今釜 桜乃介主将(3年)、両右腕エースを中心に守り合いの展開が続き、5回表まで無得点だった。
均衡が破れたのは5回裏、大島は先頭の8番・中 勝汰朗(3年)が右中間三塁打を放ち、1番・中島 大志(2年)の中前適時打で先制点を挙げた。
6回には二死から下位打線が粘って好機を作り、エラー、暴投と9番・山田 隆継(3年)の右前適時打で3点を追加した。
勢いづいた大島は7回裏、4番・山田 大芽(2年)の左越え二塁打、6番・福田 瑛介(3年)の左前適時打と打線がつながり、最後は7番・元山 巧和澄(2年)の右前適時打で7点差とし、コールド勝ちを決めた。
エース田中は尻上がりに調子を上げ、8奪三振、被安打6で完封した。
大島にとっては昨春8強入りして以来となる県大会勝利。上野力監督は「長いこと公式戦で勝てていなかったので、自信になる勝ち方ができた」と安堵の表情を浮かべた。
守備からリズムを作り、粘り強く得点する。鹿児島上位に食い込んでいた頃の大島らしい野球の片鱗を感じさせた。序盤は「人が大勢いる舞台に慣れなくて」エンジンがかからず、ピンチを招いていたエース田中だったが、3回以降立ち直る。
100キロに届かないスローカーブを混ぜてから投球に幅ができ、相手に狙い球を絞らせない。「マウンド上で臨機応変な投球ができるのが彼の持ち味」(上野監督)。3回以降は先頭打者を確実に打ちとり、失点の気配を感じさせない投球ができた。
打線は序盤、相手の丁寧な低目のボールを見極めきれずに、凡打が続いたが、ボールが浮き始めた中盤に攻略。6回は二死から下位打線が粘って相手のミスも絡んで得点したことで、打線に火がつき、7回に畳みかけることができた。
「冬場のトレーニングの成果が出せた」と田中。昨春までは横から投げていたが、夏以降上投げに変え、冬場は2段モーションで下半身の粘りを使う投球を覚えた。
チームとして何より力をつけることができたのは「OB戦」だったという。武田 涼雅[player][/player]、西田 心太朗…3年前のセンバツに出場し大学でも野球を続けているOBが冬場で島に帰ってきて、週末の紅白戦に加わり、いろいろなことを教えてくれた。大島らしさは先輩たちから受け継ぐ伝統である。
次の対戦相手は優勝候補のシード樟南。田中は1年生の夏、当時の3年生が対戦して惜敗した時、ボールボーイをしていた。「試合運びがうまくて強いチームだが、勝てない相手ではない。冬場やってきたことを出し切れれば」と燃えていた。
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