<春季愛知県大会 東三河地区予選一次リーグ Cゾーン:桜丘 9―2 成章(8回コールド)>◇22日◇桜丘沖野グラウンド
愛知県の東三河地区ブロックは、5校ずつの4ブロックに分かれてリーグ戦で開催される。だから、3月中に最低でも4試合は経験できるということになる。そういう意味ではとてもいいシステムだとも言えよう。
そんな中で、一次リーグでの好カードの一つとして注目されているのがこの対戦である。桜丘は自校グラウンドでもありホームということにもなる。昨秋は県大会に出場し、芹澤 大地投手擁する高蔵寺を破っている。成章は東三河の公立の雄として、2度のセンバツ甲子園出場の実績もある。2008年春にはセンバツ出場を果たし、甲子園でも初勝利を果たした。その時のエースはヤクルトの小川 泰弘である。
渥美半島の半ばにある田原市そのものが過疎化の影響を受けており、学校としても生徒確保が難しい状況になってきている。そんな中で、伝統校の野球部として成章は、しっかりと部を維持していかなくてはならない。OBでもある高井耕志監督は、その思いも強い。また、多くのOBからの期待も厚い。
初日となった前日は、桜丘は新城有教館に13対1で快勝。一方、成章は豊丘に5対8と競り負けて黒星スタートとなっている。県大会進出を果たすためには、負けられない戦いとなった。
4回までは桜丘・宮原 啓斗投手(3年)と成章・永井 寛祐投手(3年)の投手戦で、成章は2安打。桜丘はわずか1安打だった。これは、そのままロースコアの展開になっていくのかなと思われた。しかし5回、桜丘は先頭の8番宮原投手自らが二塁打すると、バントで進み1番土井 太聖選手(2年)の左前打で返して先制。さらに、四球と3番河合 智哉選手(2年)の左中間三塁打で2人が帰る。そして、四球後に5番福井 晴太選手(3年)が左翼柵越えの3ランを放ってこの回大量6点。大きく突き放した。
ここまで、何とか交わしてきた軟投タイプの永井投手だったが掴まってしまった。
それでも、何とか反撃したい成章は、7回一死一三塁からディレードスチール気味に仕掛けて、1点を帰した。なお、この回桜丘の宮原投手は打球を足に当ててしまい、大事を取って降板。2番手として明石 武流投手(3年)が急遽登板。やや慌てての登板で、暴投四球に盗塁で1点を失った。
8回の攻防も、桜丘は一死満塁から内野ゴロが本塁悪送球を誘うなどしてラッキーな3点を追加。その裏、成章は代打高木 和真選手(3年)が三塁打を放つなどして気を吐いたものの、1点どまり。最後は桜丘・明石投手もしっかりと締めた。
桜丘は2勝で、このゾーン1位通過が見えてきた。序盤に打線が苦しんだことに関して杉澤哲監督は、「言い訳ということではないんですけれども、愛知県の場合、上位に入って言って戦おうとすると、どこのチームにも140キロ越える投手がいるでしょう。それが何人もおるところもあるからね。どうしても普段の練習は速い球が中心になってしまいます。そうすると、今日みたいに軟投型のまとまった投手が来ると最初はハマってしまいます」と、苦笑していた。それでも、3巡目から捉えだしたのはさすがと言っていいであろう。
成章としては、序盤で1点度ももぎ取ることができていれば、また違った展開にもなったであろうが、終わってみたら3安打。2点こそ貰えたものの、終始ペースをつかみきれないままだった。