<春季愛知県大会西三河地区一次トーナメント2回戦:豊田高専 8―1 豊野>22日◇岡崎工科グラウンド

 豊田高専は、全国にある高専学校の中でも難易度が高い学校といわれる。野球部については昨年秋のブロック予選初戦は夏の愛知大会ベスト4の杜若に大敗した。しかし、敗者戦では碧南を下して新チームでの初勝利を経験している。とはいうものの、2回戦で岡崎西に敗れて県大会進出を逃した。豊野は昨秋のブロック予選では初戦も敗者戦も大敗してしまし、公式戦勝利を得られなかった。それだけに、まずはこのチームでの公式戦初勝利を得たいというところであろうか。

 そんな両校の戦いになった。豊田高専は、学校の規定で平日の中で1日、土日のどちらかで1日、練習しない日を設けなくてはいけないということになっている。従って、週5日練習となっている。それでも、狭いながらも専用球場ではあるので、練習ができる日には、しっかりとやり込んでいけるという環境のようだ。

 初回、豊野は二死から鈴木 悠太選手(3年)が安打すると、4番里吉 遼大選手(3年)が三塁打を放ち先制。しかしその裏、豊田高専は失策と四球で好機を貰い、3番杉浦 大智選手(2年)も安打で満塁として犠飛と富田 悠裕選手(3年)と松浦 弘佑選手(3年)の゜連打で3点を奪い逆転。

 2回以降は、豊田高専の打っても4番の中川 達哉投手(3年)がしっかりと抑えていき、4安打散発で無得点に抑えた。そして、4回に相手投手の4四球や捕逸に暴投などの相手の乱れによって、無安打で3点を追加。6回にも中川選手と富田選手と4番、5番の連打などでさらに2点を追加。

 そして、そのリードを中川投手がしっかりと守り切って7回コールドゲームが成立した。

 豊田高専は、毎年高校野球を引退した4年、5年の生徒が監督を務めることが慣例になっている。このチームも、今度4年生になるという山城潤瑠監督がノックを行っていた。高専の場合は、高校野球とは別に高専大会というのがあるので、それに出場する際には、3年制は一度高野連に退部届を提出して挑むということになる。そして、4年生になる際に監督や助監督となる場合には、再登録という手続きになるという。そのあたりを取りまとめているのが、責任教師となっている加藤貴英部長である。こうして豊田高専は特殊な形で高校野球に参加しているけれども、チームとしては、しっかりとまとまっていて、取れるべきアウトはしっかりと取っているということで、しっかり練習はしてきているという印象だった。

 豊野は初回に先制はしたものの、自滅気味の展開で失点を重ねていったことが、悔やまれる結果となってしまった。