<第97回選抜高校野球大会:東海大札幌7-6日本航空石川>◇23日◇1回戦◇甲子園
1回戦最後のカードは、最後まで勝負の行方が分からない好ゲームとなり、東海大札幌(北海道)が日本航空石川(石川)に9回に逆転勝ちを収めて、東海大四時代に準優勝した2015年以来、10年ぶりのセンバツ勝利。4大会連続の初戦突破を決めた。
5対6と、1点ビハインドで迎えた9回。双子の兄・3番の太田 勝心外野手(3年)が四球でつないだ2死一、二塁から、4番の双子の弟、太田 勝馬内野手(3年)が左前へ起死回生の同点打を放った。続く5番の鈴木 賢有捕手(3年)の決勝打も飛び出し、この回2点を挙げて、土壇場で試合をひっくり返した。決勝打の鈴木は「投手はいつも抑えていて、仕上がりはよかった。だけど打たれたのは力が入った感じだった。守備ではエラーもあったが、タイムリーエラーにならないよう、集中力を保ってできた」と声を弾ませた。
「太田ツインズ」ともに2安打と活躍ぶりも「シンクロ」。弟の勝馬は先制打と9回同点打の2打点をマークした。
先発しながら4回途中5失点(自責2)で、一時は降板していた左腕・矢吹 太寛投手(3年)が、9回に再びマウンドに上がり、リードを守り切ってエースの意地を見せた。矢吹は「自分は何もできなかった。投球は力が入りすぎた。野手に救われた。もらったチャンスをしっかりと次に生かしたい」と次戦の浦和実(埼玉)戦へ、気持ちを切り替えていた。
日本航空石川の145キロ右腕・蜂谷 逞生投手(3年)は、5回途中5失点(自責1)と力を出せず初戦敗退。夏へのリベンジを誓った。