<高校野球秋季神奈川大会:横浜隼人 3-1藤嶺藤沢>◇21日◇4回戦◇等々力球場
横浜隼人の2年生左腕・白鳥 拓海投手が110球の熱投で藤嶺藤沢打線を抑え込み、初完投勝利をあげた。
身長170センチ、70キロと決して大きな体ではないが、最速135キロの直球と自慢のスライダーを低めに集める投球スタイルが光った。最終回まで四死球0と抜群の制球力を披露したものの、9回一死一塁の場面で初の四球を与え窮地を招く。それでも「いままでだったら焦っていた場面だったが、最終回ということもあり、強気に投げることができた」と後続を打ち取って安堵の表情を見せた
チームは今夏まで、プロ志望を提出した最速150キロ右腕の沼井 伶穏投手(3年)や清水 駿斗投手(3年)が先発を務めていたため、中継ぎでの登板だった。自身初の完投勝利をあげ、「先輩が投げていた時は短いイニングで投げていたが、この日はカーブを使って打たせて取る投球ができた。先発にはこうした緩急が大事になる」と自信をみせた。
白鳥は横浜隼人中時代に全日本少年軟式大会に出場を果たし、横浜市内150校の中学校野球部員から選抜される横浜クラブでも東日本少年軟式野球大会で優勝した経験を持つ。同チームは春季神奈川大会制覇に貢献した武相 の八木 隼俊投手(2年)や秋季大会で東海大相模を8回途中1失点と苦しめた川和の濱岡 蒼太投手(2年)といった好左腕らも選出されており、「2人がネットニュースになっていて焦りもある。中学時代は一緒に戦ってきて優勝もしたが、悔しさもあるし今はライバルです」と、先に注目を集める同級生に大きな刺激を受けているという。
そんな白鳥を横浜隼人の水谷 哲也監督は「中学時代から勝っている経験があり、ピンチの場面でも落ち着いている。体の大きさやスピードではなく、制球力で勝負できている」と今後の活躍に太鼓判を押す。この試合でも初回に先制点を許したが、その後は慌てることなく、尻上がりに調子を上げて反撃を許さなかった。白鳥も「スライダーに自信があり、変化球は2人に負けていない」と自信を覗かせ、さらなる飛躍を誓った。