<第97回選抜高校野球大会:西日本短大付11-5山梨学院>◇24日◇2回戦◇甲子園
西日本短大付(福岡)が、8安打11得点の猛攻で山梨学院(山梨)を下して初の8強入りを果たした。打線爆発の原動力となったのは、今大会チーム2本目となる、ランニングホームランを放った安田 悠月外野手(3年)だった。
1回2死一、三塁で5番の安田が打席に入った。「変化球を意識しながら、まっすぐが来たら弾き返すイメージでした」。スライダーに対して鋭くスイングした打球が右翼を襲った。その強烈な打球に右翼手が前に突っ込んで捕球できず、打球は一気にフェンス方向へ。安田は一気にホームインした。
ほとんど動かない構えから、体のキレを一気に使うようにスイングする。そのシルエットは、智弁和歌山(和歌山)から日本ハム2位で入団し、現在はヤクルトに所属する西川 遥輝外野手にそっくりだ。もちろん、スイングだけでなく、ベースランニングも素早く、ホームまで駆け抜け、ヘッドスライディングした際にユニフォームの肩口が裂けるほど、スピードに乗っていた。
「チームでバッティング強化のため、筋力トレーニングをしてきた。自主練で1時間くらい取り組んでいる。自分は背中を意識した。背筋がバッティングのスイングの強さに繋がっている」。打力アップの秘密を明かし、走力については「50メートルは6秒2。筋力トレーニングで少し落ちてきているので、スピードも保てるようにしたい」とまだまだ不満な面をのぞかせる。打力も走力も、さらに磨きがかかりそうだ。
初戦の大垣日大(岐阜)戦と合わせてセンバツでは8打数4安打、打率5割で打点は7。昨年秋の公式戦では本塁打を1本マークしながら、打率は.212に沈んだ打力をアップさせることに成功した。次戦・準々決勝の相手は優勝候補の横浜(神奈川)。発展途上の左打者が、キレキレのスイングでV候補投手陣に襲い掛かる。