3月23日にオープン戦の全日程が終了した。チームでは日本ハムが15年ぶりの勝率1位を達成。シーズンへ向けてはずみをつけた。一方、投手では阪神の門別 啓人投手(東海大札幌)が防御率0.00で防御率1位となった。防御率0.00は2023年の平良 海馬投手(西武/八重山商工)以来2年ぶり。阪神の投手としては2011年の久保 康友投手(関大一)以来、14年ぶりの快挙となった。

 門別はオープン戦3試合(12回2/3)で自責点0と圧巻の投球を見せたが、カブスとのプレシーズンマッチでも5回を投げ完全投球。2月に行われた練習試合なども含め実戦では25回2/3を投げて自責0と絶好調。開幕3戦目と見られる今シーズン初登板へ向けて、期待は高まるばかりだ。

 さて、過去のオープン戦における防御率1位の投手はどうだったのだろうか。過去3年を振り返ってみたい。

 2024年はヤクルトの吉村 貢司郎日大豊山)が防御率1.35で防御率1位に輝いた。大卒社会人出身でドラフト1位の吉村は当時2年目だったが、23試合に登板し138回1/3を投げ9勝(8敗)をマーク。規定投球回にはあと一歩及ばなかったものの、5位に沈んだチームの中で奮闘した。

 2023年は先発に転向した初年度だった平良が17回を投げ自責点0。それまで公式戦では先発登板がなかったにもかかわらず圧巻の投球を見せた。シーズンでも23試合で150回を投げ11勝(7敗)、防御率2.40を記録しローテーション投手としての役割を果たした。

 2022年は前年に最優秀防御率(防御率2.20)、最多奪三振(168奪三振)、ベストナインを受賞していた中日の柳 裕也横浜)が防御率1.06をマークした。2年連続でタイトル奪取が期待されたもののシーズンでは25試合の登板で9勝11敗、防御率3.64、124奪三振と前年よりも成績を落としている。

 オープン戦で防御率1位となった投手の背景は、期待の即戦力ドラフト1位の2年目、先発転向1年目、前年のタイトルホルダーと様々だ。門別もまた違う背景がある。高卒3年目の門別はこれまで一軍での実績がない。一昨年は2試合(先発1試合)、昨年は5試合(先発2試合)に登板したのみで勝ち星はまだない。今年ブレイクを目指す若き左腕のオープン戦における絶好調ぶりが、そのままシーズンでも通用するのか注目だ。

 【過去3年のオープン戦防御率1位】
<2024年>
防御率1.35 吉村 貢司郎(ヤクルト)
<2023年>
防御率0.00 平良 海馬(西武)
<2022年>
防御率1.06 柳 裕也(中日)