<第97回選抜高校野球大会:聖光学院7-4早稲田実>◇25日◇2回戦◇甲子園

 左腕対決となった一戦は、聖光学院(福島)の左腕に軍配が上がった。早稲田実(東京)先発の中村 心大投手(3年)は、4回5安打3失点(自責2)で降板。完投勝利を挙げた聖光学院大嶋 哲平投手(3年)に投げ負けた。

 序盤は、ほぼ完璧だった。力強い直球と変化球で、3回までわずか1安打。三振は1つだったが、凡打の山を築いた。打線も3回までに3点を先制。そのままスイスイと好投するのかと思われたが、4回に「悪夢」が訪れる。先頭からの連打を含む4安打とミスもからんで、まさかの3失点。リードを守り切れず、マウンドを降り、ライトの守備に回った。

 その後、継投策もうまくいかず7回、8回と失点を重ねて敗れたが、最後に意地を見せた。9回に再びマウンドに上がり、1回を無失点。最後は連続三振で締めた。初戦は高松商(香川)との「第1回大会決勝再現」でリベンジに成功。エースとして主将として重圧を感じながら重責を果たした。8強入りはならなかったが、夏につながるマウンドで締めたのは、自分のためだけでなく、チームのためにも、いい形で終わりたかった証だろう。

 「ゾーンで勝負できなかった。野球に取り組む姿勢、試合に臨む姿勢を、もう一段階、上げていかないといけない。ベースの半分だけじゃ通用しない。もっと広く使っていきたい」

 2009年以来、16年ぶりの8強入りはならなかったが、責任感の強い左腕が今センバツの敗戦を大きな糧とするはずだ。

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