28日にプロ野球が開幕しました。昨年パ・リーグ3位のロッテはゴールデンルーキー・西川 史礁外野手(龍谷大平安-青山学院大)を開幕スタメンで起用しました。彼は第1戦では1番、第2戦では2番と上位打線を任されています。昨年の大学生NO.1スラッガーとして注目された西川選手は、その実力をしっかりと発揮しているといっていいでしょう。
そんな西川選手のアマチュア時代の思い出や、プロ1年目からやれると確信した昨年9月の練習について振り返ります。
高校時代は守備型の選手 大学ではスラッガーとして覚醒
プロで活躍するスラッガーといえば、高校時代、大学時代から片鱗を見せてくれます。巨人・岡本 和真選手は高校日本代表に選ばれ、木製バットでも本塁打性の打球を連発し、大学生チームとの練習試合でも大学生に負けない打球を打っていました。阪神・佐藤 輝明選手も近畿大時代の打撃練習では本塁打を量産していて、潜在的なパワーが違いました。
西川選手は大学生でスラッガーとしての才能を発揮しましたが、龍谷大平安時代は守備型のショートで、スラッガーとしての片鱗は全く感じられませんでした。
初めて見たのが2年春のセンバツでしたが、試合前取材で見かけた時、ニコニコと取材に応じていたのが印象的でした。
再び見たのが青山学院大の2年生の時でした。体も大きくなって、粗削りながらも鋭い打球を打っていました。大学3年春には東都リーグでMVPを獲得し、大学選手権でも本塁打を打ち、選手としてのタイプが大きく変わっていきました。当時の成長について西川選手はこう振り返ります。
「自主練習の量を増やしたんです。昼に全体練習が終わってから長い時は夜の6時半ぐらいまで振り込む時もありました。振り込みが終わった後はしっかりご飯を食べて、ウエイトに行う――そういう1日1日が今に繋がっているのかなと思います。やはり2年の冬が一番変わった時期だったと思います」
大学日本代表候補にも選ばれ、候補合宿では桐蔭横浜大・古謝 樹投手(楽天)のストレートを振り抜いてレフトスタンド中段へ飛び込む本塁打。鋭いスイングから繰り出す強い打球に、大学日本代表のスタッフだけではなく、スタンドにいたスカウト陣も釘付けでした。
大学4年生を迎える春には、強化試合・欧州代表戦に参加するフル代表に大学生ながら選出され、3安打の活躍。鋭い打球を打つ姿がプロ野球ファンの目に留まるようになりました。この経験で多くのことを学んだといいます。
「プロ野球選手は“丁寧に打っている”選手が多いことに気づきました。アマチュア選手の場合、バッティング練習になると『柵越えを打ちたい』と力が入ってしまう選手が多いんですけど、プロの選手たちはセンターを中心に良い当たりを飛ばしていました。自分も普段の練習からセンター方向への強い打球、ドライブ回転をせずにしっかりと伸びた打球を打ち返すことをイメージしながら練習するようにしました」
その後、リーグ優勝、大学選手権優勝に貢献した西川選手は二度目の大学日本代表に選ばれ、ハーレム・プラハの2つの国際大会優勝を経験しました。リーグ戦へ向けて、調整を続ける9月の時期に取材をしました。