ドラフト前の取材で見せた打撃練習では本塁打連発
そこで見せた打撃練習は別格でした。西川選手は次々と青山学院大学グラウンドのネット上段にぶち当てる本塁打を放ち、ヒット性の打球も多く、ほとんどが芯に当たっていました。
打撃が進化した要因として、打撃のポイントを確立したことにありました。
「打撃練習ではヘッドを立てて、しっかりとリストを利かした中で打つことを考えています。バットのヘッドが寝た状態になると遠回りしてしまい、ボールを捉えることができないんです。ヘッドを立ててリストを利かせることで、投手のボールに負けずに、良いスピンで打球を飛ばすことができます」(西川選手)
西川選手はフリー打撃に入る前からティー打撃、素振りでポイントを意識してスイングをしているのが分かりました。4年秋のリーグ戦途中で、死球で骨折してしまい離脱となりましたが、しっかりと練習ができる状態になれば、持ち味を発揮するのは時間の問題だと思いました。
ロッテに入団し、迎えたオープン戦では思い切りの良い打撃スタイル、スイングの鋭さ、コンタクト力の高さが復活し、39打数16安打、打率.410の好成績で開幕スタメンの座を勝ち取りました。
開幕戦では1番レフトでスタメン出場し、6回表にプロ初安打がタイムリーとなり、初打点を記録。開幕第2戦でも安打を打ちました。西川選手は打撃だけではなく守備でも見せ場を作りました。
開幕戦の4回裏では左前安打から本塁に突っ込んだ二塁走者を刺す好返球を見せ、補殺を記録しました。この強肩ぶりは青山学院大時代から発揮していて、昨年の取材の際もセンターからダイレクト返球を見せていました。西川選手は「肩の強さにも自信があります。守りでもアピールして、打撃でも、守備でも魅せられる選手になりたいです」と語っていましたが、開幕から攻守でアピールしています。
西川選手は毎年打撃タイトルを狙える明るい未来が待っているでしょう。近年はドジャースに入団した佐々木 朗希投手など、ロッテには投手の大物が多く登場しましたが、野手は投手と比べると小粒です。ぜひ1年目から新人王を狙える成績を残すことを期待しています。