<第97回選抜高校野球大会:横浜11-4智弁和歌山>◇30日◇決勝◇甲子園

 横浜が19年ぶりセンバツ大会制覇。この日先発した織田 翔希投手(2年)は強打の智弁和歌山打線を6回途中1失点に抑えて優勝に貢献した。

 ここまで4試合全てで初回に得点をあげていた智弁和歌山打線に対し、「試合の一つ目のアウトは意識していた」と注意を払った投球で無失点に抑えた。2回に1点を失ったが、「駒橋(優樹捕手)さんから『真っすぐはいいけど、変化球をどう使うかが大事』と言われました」と、チェンジアップ、カーブなど緩い球も有効的に使って強力打線に追加点を許さなかった。

 今大会は「この甲子園で5試合投げられたことはひとつの経験になった」と話したように、5試合全てで先発。大会序盤こそ苦しむ場面もあったが、準決勝では健大高崎を7回無失点に抑えるなど、徐々に調子を上げて本来の投球を取り戻した。2年生春で踏んだ聖地のマウンドに「言葉で現すのは難しいですが、神宮とはまた違った、この聖地でしか体験できない感覚でした」と振り返っていた。

 春のセンバツも制し、公式戦の連勝記録は「20」まで積み上がった。チームで掲げてきた"横浜一強"にまた一つ近づいたが、怪物右腕は既に次を見据えている。

「秋、春と勝ってきましたがここで終わりではない。次勝ってこそホンモノだと思う」

 目指すは夏の甲子園。横浜にとって3年ぶりとなる夏の神奈川大会制覇へ「チームワークと一戦必勝でどれだけ強い気迫を持ってプレーできるがが重要」と語った。松坂 大輔氏を擁して以来となる、無敗伝説を成し遂げることが出来るのか。怪物右腕の成長がカギを握っているのかもしれない。

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