4月に入り、注目が集まるのはスーパー中学生たちの進路だ。
千葉から名門・仙台育英に進む球児がいる。松戸中央ボーイズのエース・福井 勇翔投手だ。昨年、チームの正捕手・倉方 湊都とともに東日本報知オールスター大会の千葉県選抜に選ばれている。
176センチ68キロと細身の体型からストレートは最速134キロと、最近は140キロを投げる中学生もいる中、突出した球速ではないが、しなやかな腕の振りから投げ込む直球はキレがあり、高校では常時140キロ台の速球を投げる可能性を感じる。
自分たちの代の公式戦が終わってからも精力的に練習を行い、カットボールにも磨きがかかってきた。
「ストレートとスライダーのコンビネーションだったのですが、投球数を抑えたい思いがあったので、カットボールを習得しました。直球と同じように腕を振って打たせて取る目的で投げています」
遊撃手を兼任する福井はフットワークも軽快で、打撃もレベルスイングで力強い打球を飛ばす。パンチ力があり、一発を打てる長打力を持っている。投打ともに1つ1つの動きに無駄がない。センスの高さが伝わる。
指導者、チームメイトからは「福井は全く緊張しません。だから勝負どころで結果を残すのはいつも福井なんです」と全幅の信頼を置く。
松戸中央ボーイズを率いる井垣 茂人監督は福井の勝負強さを絶賛する。
「しっかりしている倉方と比べると、福井はまだ年相応の中学生です。ただ、勝負所で変わらずプレーができているのは福井です。ナインに対してしっかりとした指摘もできます。チャンスでもピンチの場面でも動じません。大人から信頼されるような人間性を持ったのは倉方ですが、勝負の世界でも活躍できるマインドを持っているのが福井だと思います」
主将としてチームを引っ張った倉方に対してもキャッチングに対して指摘するなど、チームに足りないところを躊躇なく指摘できるところが、首脳陣から評価されている。
そんな福井は仙台育英進学を決めた理由についてこう語る。
「仙台育英は日本各地からすごい選手が集まっていますし、先輩たちの印象を見ると一人一人が考えて練習に取り組んでいました。自分が成長できる場所が仙台育英だと思って進学を決断しました。行くと決めてから心構えが変わってきて、ストレッチも良くやるようになりました」
現在の課題は体重増加だ。
「176センチ68キロなので、体重は絶対に増やさないといけないと思っています。高校での1つの目標は150キロを出して、それが達成できるようにレベルアップしたいです」
入学すれば、全国から集まる新入生たちとの競争が始まるが、ベンチ入りして甲子園出場を目指す。
「今までと違って寮生活となるので、生活面でしっかりと慣れることがまず課題です。その上で、甲子園優勝を目指し、チームの勝利に貢献できる投手になりたいです」
類まれな野球センスの高さと勝負強さを仙台育英でも発揮し、ベンチ入りを勝ち取っていきたい。