昨季セ・リーグトップとなるチーム打率.256を記録したDeNA。今年も主砲の牧 秀悟内野手(松本第一)、ベテランの宮﨑 敏郎内野手(厳木)ら、球界を代表するバッターを揃え、強力打線を形成している。

 そんなDeNAにとって欠かせない戦力となっているのがタイラー・オースティン外野手だ。来日5年で74本塁打を放ち、通算打率も3割に迫る打力を誇る。昨年は打率.316で自身初となる首位打者を獲得し、今季も打線の中軸として期待を受けている。

 リーグ制覇、日本一連覇へ欠かせないピースだが、唯一の欠点と言っていいのが怪我に泣かされることが多いところだ。来日3年目の22年には開幕前に右肘の張りが発症して38試合に留まり翌年はシーズン途中でヘッドスライディング時に肩を負傷して離脱を余儀なくされた。チームを鼓舞するハッスルプレーも持ち味の一つだが、故障に繋がっていることも事実である。

 今季も開幕2戦目までスタメンを張ったが、第3戦目以降はコンディション不良を訴えて2試合連続でベンチ外となった。シーズンを通して出場すれば安定した成績を残すことができるだけに、やはり安定したコンディションを保つことが課題だろう。

 開幕直後から不安視されていた部分が露呈したが、3戦目は佐野 恵太外野手(広陵)、4戦目は三森 大貴内野手(青森山田)がオースティンの代わりに3番に入った。三森は3安打猛打賞と早速結果を残して勝ち切っている。

 また今季はセンターのレギュラーだった桑原 将志外野手(福知山成美)が骨折の影響で開幕メンバーから外れている。オースティンと合わせてレギュラー不在となっているが、梶原 昂希外野手(大分雄城台)がカバーしていることもあり、戦力層が厚さを感じさせる。とは言え、オースティンの活躍も優勝に必要となる。頼れる助っ人の復帰、不在の期間を任される代役の活躍が日本一連覇のカギを握るだろう。